M.E ポイドイック博士らの研究によると、移植マウスガンの腹水ガンタイプのザルコーマ37、クレブスおよびエールリッヒ腹水ガンなどにビタミンC+ビタミンB12の混合物を治療に用いると、ガン細胞分裂が阻害され、著明な副作用も認められませんでした。なお、これらのビタミンは、同量を単独投与すると、ガン細胞の分裂、あるいはガン細胞の維持には明らかな阻害作用は見られませんでした。また、これらのビタミン混合物で治療したマウスから採取した腹水を染色し、顕微鏡で調べてみると、ガン細胞は少しも発見されず、リンパ球、単球、好中球などの増多が著明であった。また、後の実験では、ガン細胞は見つからず、単球と大食球が多かった。なお、リンパ球、単球、大食球などは、細菌、ウイルス、ガン細胞などを食べてしまう働きがあります。
in vitroでの研究では、ビタミンCとビタミンB12の混合物は、ザルコーマ37組織、エールリッヒ腹水ガン組織、L1210白血病組織では、細胞分裂を阻害するが、非腫瘍性L929線維芽細胞の分裂には影響を与えなかった。次に、in vivoでの研究では、5日連続でビタミンC+ビタミンB12の混合液で治療した後の細胞分裂数と細胞容積(ml)は、エールリッヒ腹水ガン、ザルコーマ37ガン、クレブスガン共に、対照に比べてガン細胞は認められず、ガン細胞分裂も認められず、それらのガン細胞は崩壊の段階にあるようです。しかし、リンパ球、好中球、単球は認められた。実験の終わりには、それぞれガン細胞は認められず、単球と大食球が腹水液中に見出された。
ビタミンCとビタミンB12を種々の投与量で与え、治療した担ガンマウスの細胞分裂指数では、両ビタミンは別々に投与されたけれども、混合製剤としてビタミンCとビタミンCカルシウムを340mg/kg、それにビタミンB12を20mg/kgを投与された。少量投与では、ビタミンCもビタミンB12もそれぞれ細胞分裂では、明らかな効果は認められなかった。しかし、ビタミンCを800mg/kg投与すると、細胞分裂は阻害された。また、ビタミンCを1,600mg/kg投与すると、マウスに対し有害であった。これらの結果から、ビタミンCとビタミンB12の混合物が宿主のマウスの免疫能を高める可能性が示唆されます。なお、それぞれのビタミン投与では、ビタミンCの800mg/kg投与群が、エールリッヒ腹水ガンのガン細胞分裂数が少なく、ビタミンB12の20mg/kg投与群は、対照に比べガン細胞分裂数にほとんど変化は見られなかった。これらの結果から、ビタミンB12の混合投与と単独投与では、ビタミンB12の効果は異なることが考えられますが、更なる研究の積み重ねが求められます。
References
M.Eポイドック.Experimental Cell Biology.Vol47. 210~217 1979
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