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認知症予防とビタミンの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-12-23 17:01:58 | 健康・病気
アルツハイマー認知症は認知症の約70%を占め、レビー小体認知症は約20%を占め、現在、約600万人の認知症患者がいると報告され、将来、認知症予備群を含め、認知症患者は、1000万人を超えると報告されています。今回は、ビタミンと認知症の関係について考えて行きたいと思います。

研究報告によると、レピー小体認知症では、ビタミンB1欠乏症の合併が見られ、さらに、ビタミンB12、ビタミンMなどが欠乏し、認知症の症状が見られます。ビタミンB1は神経機能維持に重要で、欠乏が続くと重篤な記憶障害をもたらす可能性があります。また、ビタミンB12が欠乏すると、認知症の症状が現れることが報告され、血液検査でビタミンB12濃度を調べて、不足している場合は補充すると認知症の症状が改善すると、研究では報告されています。

次に、脂溶性のビタミンDの欠乏は認知障害を発症する可能性があり、このビタミンが不足するとアルツハイマー認知症になる可能性が高まり、血中ビタミンD濃度が高いとその可能性は大幅に低くなります。また、別の研究では、認知症ではホモシステイン値が対照に比べて高いのですが、アルツハイマー認知症よりもレビー小体認知症の方が血中ホモシステイン値が高く、ビタミンB12の投与で改善するとの研究もあります。

レピー小体認知症では、αヌクレオチド(蛋白質の一種)からなるレピー小体が脳に蓄積し、レピー小体認知症が発症します。症状では、幻視、睡眠中に叫んで大声を出したりしてレム睡眠行動障害と動く動作や行動が遅くなったり、また筋肉のこわばるパーキンソン症状などが見られます。

予防と治療面では、ビタミンB1(サイアミン)やビタミンB12(シアノコバラミン), ビタミンM(葉酸)、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、それにビタミンB6(ピリドキシン)などの経口投与が米国や欧米諸国で自然医などが実施し、これらに加えて、栄養医などがビタミンC点滴とグルタチオン点滴も実施して、効果をを報告しています。これらは医薬品と違って栄養素なのでリスクは少ないと思いますが、長期の予防・治療になるので、腎臓・肝臓にトラブルを抱えているヒトは、摂取量を減らすなど、腎機能をモニターしながらの、医師の管理が必要と考えます。いずれにせよ、更なる研究の積み重ねが待たれます。


References
Lewy Body Dementia.  University of Michigan Health-Sparrow
How is Lewy body dementia related to Alzheimer's disease and Parkinson's disease? Cleveland clinic
Low levels of vitaminD in the brain linked to increased dementia risk.
Localized pantothenic acid(VB5) reductions present througout the dementia with Lewy Bodies brain. The university of Manchester
Yang Song. Serum homocysteine, VB12, folate, and their association with mild lognitive impairment and subtypes of dementia.  J Alzheimers Dis. 2022;90(2):681-691
Association of elevated plasma total homocysteine with dementia with Lewybodies  Aging Newrosci. 15  Oct 2021, frontiers






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