大腸ガンとKRAS(変異遺伝子の一種)とBRAF(ガン性遺伝子の一種)の関係が明らかになり、ビタミンCがそれらの遺伝変異を抑制することが明らかになりました。Well Cornell MediinのMargaret博士らによると、高値のビタミンC値は、細胞培養とマウスにおいて、大腸ガンの一種に殺作用がある事が分りました。この発見は、標的治療の発展にビタミンCを利用することができることを示唆しています。大腸ガンの約半数は、KRASとBRASの突然変異にあり、この形態の大腸ガンは、より攻撃的で、現在の治療法や化学療法に十分反応しません。
Lewiscantley博士(Meyer Cancer Center)とMargaret博士らは、この発見は、KRASとBRAFの突然変異種を持っている大腸ガンへのビタミンCの治療的利用を調べるためのメカニズムを提供すると、述べています。ハーバード大学とジョンズホプキンス大学の研究では、オレンジ300個に相当するビタミンC量の投与は、細胞培養とマウスでのKRAS変異種とBRAF変異種による大腸ガンの成長を弱めます。この発見は、新しい治療法の発展をもたらす可能性がありますが、この治療法による恩恵を受ける人への反論が起きました。
Cantley医師らは、この反論では、これらの大腸ガン細胞で酸化反応が起った結果、ビタミンCが有効であった、と述べています。動脈のような酸素が十分ある環境では、アスコルビン酸と呼ばれる還元型ビタミンCは酸化され、酸化型ビタミンC(DHA)に転換されます。グルコース輸送体(GLUT1)として知られている特殊の膜蛋白質は、グルコースとDHAの両方が細胞に入るのを可能にすることが、以前から、科学者等に知られていました。しかし、その活性はビタミンC(アスコルビン酸)にはありませんでした。しかし、DHAが細胞内で何をするか、以前ははっきり分っていませんでした。
References
Sandra and Edward. VitaminC halts growth of aggressive forms of colorectal cancer in preclinical study. Well Cornell Medicine, Meyer Cancer Center. Theesday, november5,2015
Jihye Yun, et al. VitaminC selectively kills KRAS and BRAF mutant collerectal cancer cells by targeting GAPDH. Science. 2015 Dec 11
Lewis Cantley. an update on vitaminC andcancer. Meyer Cancer Center.Sep15,2021
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます