朝から、芝刈り機の機械音がする.西面順子さんと結婚し、一生を共にする航海を、しなかったことにより、結論の出ない過去の検証を、繰り返し毎日行わざる得なくなった、一生を共にしていく時間を、無駄な時間にしてしまっている、机に両手を置き、俯いて、苦悩する彼女が、私の席の右二列横にいる姿、声をかけるやさしさ、思いやりが、もうどうでもいいという感情に、押し流されてしまっていた、これ以上ない彼女の愛情を、一方通行にしてしまった、彼女に対する愛情は、ちぢこまり、彼女が感じれる、解る状態でなかった、西面順子さんを失って、先の人生すべてを失ってしまった、なにもない時間を過ごすしかなかった、いつまでも、たちどまったままだ、共に航海をしないと、次に待っているのは、惨めな、口をつぐまなくてはならない、おろかな日々、過去の教訓を生かす彼女はもういない、過去の教訓さえ、必要なくなっていた.