水俣病救済法案

水俣病救済法案について与野党の修正協議が決着したようだ。これで急な衆院解散がなければ法案成立という運びになる。

原因企業であるチッソが求める分社化が法案に盛り込まれたことは不本意だが、救済を求める被害者を早期に、且つ、症状についてその対象を拡げることができたことは大きな前進である。

与野党合意を不満に思う被害者団体からは批判の声が上がっているが、100点満点はとれなくても、早期の救済を待ち望む被害者のことを考えた場合に、ご破算の0点にはならなかったことは良かったと考えるべきだ。

今後、一時金や手当の額の積み上げ、分社化は認めつつも原因企業のチッソに被害者救済の責任を全うさせることなど、被害者が抱いている懸念を最大限取り除くことが私たち政治のやるべき責任である。

批判は甘んじて受けつつも、せっかく策定する救済策が、多くの被害者の方々に理解していただける内容のものになるように力を注がなければならない。