むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説㉕

2019-05-01 12:58:28 | 小説


 前回までのあらすじ。ナチスの話がさらにくどくなりますけど、ネットが普及する以前はテレビをぼんやりながめながら、こういう話を追いかけることが人生の主体でした。

 

   硫黄島の戦い

 一一日目。

 小銃使いが女みたいにしゃべっていた。粉ミルクに米国産チョコパウダーを、大量に入れて飲んでいる。

「できるだけ少ない被害でベルリンを降伏させる方法だな。SSは生け捕りにしないといけない」

H.スミス 今日は一〇九五人のやつだ。

「保安官はドイツに留学してる。植物学が専攻だ。でも学者のように見えない。顔にうそだと書いてある」

 午後二時四五分。前線へ向かう。

 二〇人撃った。まだ近づいてくる。機銃の弾が残り少ない。帰りにスプールアンスが、弾切れになる。トラックからおりて並んで歩いた。先導するトラックに踏まれてぺしゃんこのバッタをけとばしながら歩く。

 摺鉢山に着く。

長野君 五人多いかと。

 五人片づいた。

 これが一〇九五だな。

M 林君。空を飛ばそう。

「新しい町づくりのことで話があるから」と拡声器でアナウンスして駅前に人を集める。

 紙を片手に持って話しかけながら、頭を撃ち抜く。撮影しているので映画だと思う。逃げ出す人を笑いながら射撃競技みたいに撃つ。大きい町では毎日同じことをやって出歩く人がいなくなったら一軒一軒まわる。

AAのSS 繁盛している商店では客がきたら、「いらっしゃいませ」と話しかける。普通の商店で客に景気よく話しかけると客が台所へ入ってきて、業務に支障が出るっ。

 終点。

M そのカバーが顔に置かれているやつは生体実験施設だ。空を飛ばそう。

 スイスあて九四番地。九四人だ。

 医療研修生が逃げない。撃つ。患者が逃げる。追わない。雑用係が逃げる。撃つ。金髪のナースで弾切れになった。白衣を捨てて逃げる。二〇mの手前で頭を撃ち抜く。射撃訓練所と同じ建物(最初は生体実験施設で射撃訓練をする)だ。

 終点。

RANK BのSS 普通の商店で客が台所に入ってきたら「うちは生体実験に関係がある」と言って追い返す。

 

 一二日目朝。

 栗林が米軍書記官と打ち合わせをしている。

 ナチス囚人兵が近づくときの合図を身振りで確認しながら、荷車に積んだバッタのかごを下へ置く。

栗林 彼らはどこへ帰るんでしょう。

米軍書記官 ここが死に場所だよ。

 バッタが靴底に貼りついたらしくて、書記官が片足のつま先をなんども地面にたたきつけて、踊るような格好をしていた。

M 栗林さん。西海岸でそっちから斬り込みを二人護衛につけてくれ。

栗林 わかった。

M 発煙筒を使っているようだけど風がないときはどうする。

栗林 いつも浜風がふいている。

 午後二時四五分。前線へ。弾は多めに用意している。東京都の斬り込みが二㎞ぐらい援護してくれた。

南雲 マリアより。フランス人一〇九九。

長野君 ずっと五人にするようです。

 五人片づいた。

M 林君。空を飛ばそう。

 若者に武器を配って、抵抗活動をやる。反対する者は撃つ。

AAのSS 酒を扱う食品店では、酒を買う客が会計のときに、誰に話しかけるかを確認する。

M なにかがおかしいな。

担当SS 子供は殺さない。大人はみんな戦争で死んだ。私たちが正しい生き方を教える。

 終点。

 

     つづく