前回までのあらすじ。ナチスの話がさらにくどくて奇怪になりますけど、これが太平洋戦争における中枢なのです。
硫黄島の戦い
一三日目。
今日の被弾競争はへルキャット(米軍の戦闘機)一〇機。
長野君 いつかやると思ってました。
午後二時四五分。前線へ。斬り込みが荷台に立って自動小銃のやつを撃つ。中央から次々とやってきたが飛行機の機銃で撃つように片づけた。
以下省略
一四日目朝。
栗林が軍服の束を持って米軍書記官と歩いている。昨日は死体が穴に落ちて大変だった(死体を引きずらないように運んでいる)。深めの穴に軍服を置く。
南雲 下(西海岸)の斬り込みを五人にして。
午後二時四五分。前線へ。斬り込み五人とスプールアンスがトラックの荷台に立って、機銃を肩にかつぎながら撃っている。
南雲 最大出力だよ。
摺鉢山に着く。
南雲 マリアより。フランス人二二九九。
M 多いな。まだ神戸で勝てるんだろ。
長野君 邪馬台国にタイムスリップするそうです。
ナチス囚人兵五人が片づいた。
これが二二九九だな。
M 林君。空を飛ばそう。
二二九九 国外に脱出しなかったフランス軍兵士がいる。おれだ。戦車(ナチスの)から出てくる瞬間を小銃で狙う。
戦車一 この辺で働ける場所があります。
戦車二 子供たちのために新しい国をつくりましょう。
戦車三 あなたの手で歴史をつくりませんか。
戦車四 子供は殺さなくてもいいです。
戦車五 手伝ってください。
二二九九 銃を逆さにして、両手を上げて投降した。
M 電撃戦車作戦だな。とぎれるなよ。
二二九九 ナチスの将校が出てきた。
ナチス将校 いいか。ピストルだけでやるんだ。弾の材質はステンレス鋼製だから誰が、撃ったかが問題になる。頭に一発で仕とめるんだ。服装はそれでいい。
二二九九 初日からナチス将校と一緒に五〇人以上始末した。
二二九九 他にも狙撃手がいる。戦車の出口は狙いやすい。きりぎりすみたいに集まってくる。自動小銃を借りて背後から撃つ。
担当SS それはカウントしません。
二二九九 狙撃作戦の予定を新聞に暗号で掲載する。出番がないやつは、なにもしないので確実だ。海岸の町はすべて同じ手口で始末した。時間を大切にするんだ。おれたちは瞬間を生きている。
終点。
卑弥呼 体育場に鉄砲使いを雇った。
一五日目。
南雲 マリアより。ギリシャで確保したナチス囚人兵にそれぞれニックネームがある。担当SSが名前と殺したかずを言う。それを絵はがきに書いて、あとでNO RIGHTに渡す。暗殺者のアカデメイアをつくるんだってさ。
午後二時四五分。前線へ向かう。
米囚人パイロット 出動命令だ。低空飛行だけでいいんだな。
戦闘機が西海岸を低空飛行で往復している。トラックから出力全開でナチス囚人兵を撃つ。
長野君 プラトンの対話編に化け物がいるそうです。
M かずは。
南雲 二〇九九人。
M 装兵で合成された物かもとからいた物かわからないな。長野君。あとでしょう油屋に骨を渡して。
ナチス囚人兵が五人片づいた。
これが二〇九九か。
M 林君。空を飛ばそう。
担当SS ギリシャは観光の国だから武器が少ないです。
二〇九九 どんな武器があるんだ。
担当SS 投擲(てき)器があって石を飛ばせます。
二〇九九 戦闘部隊は。
担当SS ナチスの軍隊が国境に来たんで、イギリス人身分証の外国人を防衛部隊として雇いました。観光の国ですから騎馬部隊しかいません。
二〇九九 毎日なにをやっているんだ。
担当SS 永遠とはどういうことか理知的に説明する努力をしてます。
南雲 マリアより。要約して。
担当SS ギリシャでは客が来たら、ナッツと魚介類がどろどろになるまで煮込んだ料理を出します。
終点。
ニミッツが小銃使いに「ギリシャの女はべたつくスパゲティが好きだ」と言っている。
M 手と足が四本ずつで頭が二つある化け物がいて・・・なにができるんだ。
つづく