むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説㊷

2019-05-25 10:37:00 | 小説

  伊江島の戦い以降

四七四三の悪魔 本土決戦は無保険地帯よ。病死幽霊が人殺しの死体を食べて増殖するわ。

 

 昭和二〇年四月一九日朝。

南雲 カデナより。作戦コードやらせ柔道。首里城の近くにある墓(古墳のような墓で上が平らになってる)で六〇人レセプト。

 安東Fがジグソー弾(機銃で二万人撃ち殺したやつのヘルメットでつくった)を持って上陸艇でどこかへ行った。満州からきていた三〇〇〇人が機銃で撃たれて死んだ。射手は神戸だった。

 墓に着く。安東Fが先に待っていた。ヘンリー少佐がピストルを持っている。おれと林、ヘンリー少佐、安東Fが墓に上がるっ。NO RIGHTが集まってくる。MP腕章の三人が参加者を六〇人選ぶ。一番が上がってくる。そでとえりをつかみ合う。おれが奥えりをつかんで、大外で刈って、手を包帯で縛って、袋頭巾をかぶせる。一〇人にひとりぐらい変なやつがいるっ。ボクシングじゃない。ヘンリー少佐がピストルを真上に撃つ。審判に見えるか。下はコンクリートだ。大内刈りいくぞ。マッカーサーが撮影係を連れて上がってきた。

M 捕虜六〇名。

南雲 最後以外を省略。

林 三千人の総合体ができてますね。

M 木でできた疫病神だ。

木でできた疫病神 おれの誕生日がなにか。

林 疫病神の外観は軍服と頭からかぶるテント布ガウン。

 ニミッツが「古代中国について話せ」と言う。

M 兵士を全採血して粘土でおおって土に埋める。フォアグラだ。

林 古代兵士に特殊な能力があって全採血されてもしばらく生きている。

牛島 三、四日ぐらいで突然ひからびて死ぬ。

林 起源なのでそれ以上はよくわかりません。

 

 四月二五日。

M このいるかみたいな声は、なんなの。

牛島 呂の女方だ。子供がいなくても子守歌を歌う。

林 なんだか眠くなりますね。

 四月二六日。

M 子守歌で眠くなることは計算されていたのか。

牛島 予想していたやつの実験から始まったんだ。

林 コントロールするつもりなんでしょう。

牛島 呂の複製にかかわったやつは全員国外追放する。

M 在郷軍人会の方は。

牛島 夫人と子供も始末する。

 五月一二日。

牛島 名古屋城にたむろしているやつらは個性が強すぎる。踊るときに床が抜けるかもしれない。

M 屋根にロープを張って交替で登っている。

林 水がないですよね。

牛島 本陣で炊き出しをやっている。

牛島 陸軍でフライス盤(直径四〇㎝の金属製円形カッター)発射装置を開発した。小銃使いを三〇人動員する。

M 弓にカバーをしたような形状。手動リセットの強力なばねで発射。

牛島 命中すると頭骨を分断する威力がある。カッターをセットするときに特殊な手袋が必要。

 五月一三日。

小沢 名古屋市内の映像だ。

 斬り込みがコートを着て、帽子をかぶっている。小銃使いが歌舞伎役者のように化粧をしていた。木片が飛びちる爆竹みたいな爆弾で外に誘い出す。甲胄のよろいを着た人斬り人形が斬り込みに撃たれる。

林 フライス盤を使ってないんですか。

牛島 フライス盤で名古屋城がぼろぼろになった。

 五月一四日。

 長テーブルにおれ、ヘンリー少佐、安東F、牛島、林が座る。テーブルの上に、撮影機と新型爆弾の部品が置かれていた。

M これでみえる。最前線が。

林 放電すると顔の特定ができなくなるんですよね。

牛島 低電圧で起爆するようになっている。

南雲 カデナより。作戦コード、旭日会議。六〇人ぶんだよ。柔道がある日は柔道のポイントだけ。

林 ポイントが毎日九七マイナスになります。

M 累計で八五一〇だ。

林 八月九日までになります。

 五月一六日。

 ねぐらにしている木造民家でクリーム色のペンキを塗った。撮影機が動いている。安東Fが「ナチスの仲間も全員殺せばよかった」と言う。壁のペンキはおれが塗るから撮影機に向かって言うんだ。「ソーセージ職人もビール工場の従業員も全員殺せばよかった」と言う。「ねずみや鳩も全員殺せばよかった」と言うっ。「無人の惑星にすればいい」と言う。ひげをそって撮りなおしだ。在郷軍人会の広報へ送ることにした。

M 戦争が終わるとなにもなかったことになる。

牛島 在郷軍人会で新党を結成して、資金を集める。

M どうして金が集まるんだ。

林 中国になにか造る準備金でしょう。

 五月一七日。

 現行紙幣に在郷軍人会が防犯証紙を貼って、特殊紙幣を作ることになった。

林 ありがたみがないですね。

M 流通量を増やせば責任感が出る。

 五月一八日。

林 在郷軍人会の連中にだけ、表現や言論の自由があるんですね。

M どんなことを言うんだ。

牛島 「中国軍の毒ガス兵器で健康被害を受けた」とかいうやつが街頭に立って演説する。

 五月二〇日。

 中国に路上焼き鳥のチェーン店をつくった話。拍手。満州に医療団を派遣して、万能医学の研究をしている話。拍手。

 五月二四日。

牛島 陸軍で二五バイト鉄球銃を開発した。小銃使いを追加動員して装備させる。

M 銃口が二五個並んでいて、直径一一㎜の鉄球を電装火薬で同時発射。

牛島 威力は頭部が粉々になるぐらい。

M 発射カートリッジと鉄球をセットするだけで操作が簡単。

 五月二九日。

 海辺の巣窟を、片づける場面を撮影している。おたふく面や地蔵面をかぶっていて斬り込み装備。木くず爆竹爆弾が飛びちる。はんてんを着た人斬り人形が出てきた。フライス盤で頭部が縦に裂けたあと、フライス盤がカーブして地面を転がる。小銃使いがカバーをあけて、次のフライス盤をセット。

 五月三〇日。

牛島 大阪城作戦だ。大阪城にたむろしている在郷軍人会の連中を二日間で片づける。

小沢 和装したやつらがぞろぞろ出てくるからうまくやれよ。

M 西洋人のかつらを、かぶった小銃使いが城を包囲している。

林 B二九が上空を旋回しているだけ。

 五月三一日。

M 虎皮のベストを、着た小銃使いが鉄球銃を持っている。

林 頭部がすいかみたいになって、骨のかけらがくずれ落ちるっ。

 六月七日。

 軍刀を持った一〇代の少年が出てきた。自動小銃で撃たれている。二、三人でたむろしているやつが多い。若い人斬り人形だ。憲兵が女はいなかったかと父親や母親に聞く。

林 憲兵なら能力を使ってほしいですね。

憲兵 この顔に見覚えは。金がもらえるんや。子供は。

M 怖がらないな。上は関係ない。

四六三四のSS 時空大阪憲兵隊開始。人斬り人形の首をなたで切り落とす場面から。

 六月八日。

牛島 一〇日に工場地帯を空襲する。

M どこの。

牛島 関東全域で三〇か所。特攻隊員を検査工程に動員する。

林 製品検査は在郷軍人会の専売特許じゃ。

M 麻雀でもやっていることだ。

牛島 雀卓を増設して、昨日の大阪憲兵隊を動員する。

 六月九日。

M 不審に思われたらどうするんだ。

牛島 工業製品の検査をすると命中率が上がる。

M なるほど。

 六月一〇日。

牛島 空襲警報の二時間前に処刑している(グアムから来た精鋭部隊)。

林 特攻隊員は任務終了ですね。

M 一五日に大阪大空襲だから大阪憲兵も必死だな。

「在郷は罪業とイコールや」

「逆転の人生やな。つもりスーアンコオ」

 六月一三日。

「全採血は『玉すだれ』による出血死やろ」

「かいま見えると病みつきやな」

牛島 玉すだれの構造は。

M 七〇㎝×一五㎝ぐらいの薄い鉄板を一〇枚ほど組みつけた物。

林 鉄板の下部に長いL字と短いL字レール(空間)があって、二か所の接合部で、縦方向へすだれのように広げたあと、一か所ずつ外れて横方向に五~六mのびる。

M 下鉄板の側面がカッターになってて耳をそぎ落としたり、手足に創傷を与えたり。

牛島 そうかもしれないな。接合部が二㎝くらいあればかなりの強度を持続できる。

 六月一四日。

「最初の玉すだれ使いを、武術の神として崇拝しとったんや」

「それが日本の死に神やろ」

「崇拝せんと皇帝もフォアグラ亡霊にとりつかれるんや」

「玉すだれの操作に相当な技術が必要やな」

死に神 わたくしめが。

「なんや片手落ちやな」

 六月二一日。

M フォアグラ亡霊の処理を満州広報に聞いてみるか。

満州広報 満州帝国はもうすぐ滅亡チキチキ。

林 そっちでフォアグラ亡霊をどうやって処理してますか。

満州広報 その場でぶった斬りギッチョン。ときどき人間も。

M その小麦と大豆を日本に送ってほしいんだが。

満州広報 地震になるから逆にべたつくやつを送るよ・て・い。宝石を中国に送るとか言ってたねえねえ。

牛島 工業用ダイヤモンドが小麦と大豆の出荷に必要なんだな。手配しよう。

満州広報 大きいカラット揚げが特に必要チキチキ。

 六月二二日。

南雲 カデナより。やらせ柔道の最終回。

 航空母艦からヘルマン博士とトルーマン大統領がやってきた。

 墓の上に大統領が立つ。体落としばかりだ。帰りがけに大統領がなにか言っている。あとで報奨金を

やるけど、インフレになるから公認会計士へ運用を委託した方がいい。

 七月三日。

 陸軍でシェーカー爆弾を開発した。自爆用で説得して使用。

「これから幽体戦争の最前線にいくんや」

「日本酒のカクテルを飲んでな」

「口にくわえて頭蓋をふき飛ばすのや」

「フォアグラ亡霊の急所は頭やから」

「わいらがパンを食いながら外に出たらいちにのさんや。死に神、歌わんか」

死に神 なにもかもぱんがわるいので・・。

「違うやろ」

死に神 なにもかもかくてるが・・。

「もうええ」

「靖国神社に奉納や」

 七月九日。

「兵士亡霊で支配する方法を考えた最古の皇帝がおるんや」

「最古の皇帝は一五〇年以上生きとるな」

「実験結果じゃなく宇宙人に聞いたんや」

「紀元前二〇〇〇年やな」

 七月二四日。

「広島と長崎に在郷軍人会の社宅。満州と中華民国(満州より南)から配当金がもらえるんや」

 七月二五日。

「立ち退き料や。兵士亡霊で『とりもち』になって戻ってきたんやろ」

「人を斬ると大丈夫なのが不思議や」

 七月二六日。

米囚人パイロット 原子爆弾の準備ができたぜ。宇宙人もふき飛ばせる。そっちで投下装置をコントロールしろ。

小沢 おれが決めるぞ。誰なのかが秘密だ。

南雲 広島が外地にいる日本人で、長崎が本土にいる日本人だから。

 七月二七日。

「兵士亡霊のデータがそろったな。印刷して配るで」

「先遣隊が調べたのや」

「長老の顔と宇宙人がまだわからん」

 七月二八日。

「造りかけの空襲避難壕や。防空壕じゃあらへん。ミイラ穴の深さを策定するんや」

 七月二九日。

「時空をさかのぼったときにどの武器が使えるかや」

「ローテクノロジイの武器も必要やな」

 七月三〇日。

「長老を玉座に縛るしめ縄や。間違えんように」

「竹槍の連射装置や。風向きに気をつけてな」

「蒸気投石器や。よく狙ってな」

 八月一日。

「最古皇帝の拠点がどこにあるかやな。兵士亡霊が、守っている長老の神殿がどこかにあるんや」

 八月二日。

「社長さん。会合は四日後や。ボルトアンカーは足りとるな。神殿の座標を計算するためや」

 八月三日。

 米軍が、ガラス玉一三〇個がちょうど入る鋼鉄製の大型容器を組み立て始めた。

M 幽霊復元装置だな。ガラス玉をアーク灯にして、クラブ(阿嘉島上空にある幽霊のクラブ)のフロア側面に一三〇個並べればよい。

四七四三の悪魔 ここで参考データは終わり。Mの、捕虜のポイントは八月一五日でゼロになって終戦となる。在郷軍人会の子供を処刑する場面とかあったけど時空に消えたわ。

   おわり