(↓Twitter on 十瑠 から(一部修正あり))
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今朝、ロッセリーニの「無防備都市」を観る。何年ぶりだろう?50年以上かな。ドキュメンタリータッチと謳ってあるし、記憶もそんな感じだったけど、今の感覚では全然違うな。「アルジェの戦い」程度には描かれてると思ったけど、全然違う。ユーモアもあったしな。フェリーニが脚本に参加していた。
[ 7月 14日]
12日に総合図書館で借りていた「無防備都市」を城南図書館に返却する。14日に何十年かぶりに観て、その後2回目を観る気が起きず、やっと一昨日に観た。
[ 7月 25日 以下同じ]
思えば、高校生になって「SCREEN」を読み始め「無防備都市」の記事に接した時にタイトルを思い出したんだから、映画は中学生か或は小学生の時に観たのかも知れない。ロッセリーニの名前もこの高校生の時に認識したのかも。あのイングリッド・バーグマンとの不倫ロマンスが有名な監督ですな。
第二次世界大戦時のイタリア、ローマが舞台。既にムッソリーニは失脚しているみたいで、ナチスドイツに支配されている時代のようだった。食糧難に苦しむ市民生活も描かれるが、大筋はナチスとイタリア、レジスタンス戦士との戦いが描かれている。
ゲシュタポのブラックリストに載っているレジスタンスの指導的立場の男が恋仲になった女優と撮った写真からローマにいる事がばれ追われるようになり、彼を匿う印刷工やその婚約者、婚約者の家族、更には彼らを支援する神父も出てきて前半はサスペンス劇のように進む。
戦時中とは言いながら教会の近くの路上でサッカーに興じている小学生の子供達も出てきて、中には爆弾による負傷だろうか片足の少年もいて、ひそかに爆弾作りをしていたり彼らなりに抵抗運動への準備をしていたことが分かる。
14日のツイートで『ユーモアもあったしな』と書いたのは主に神父と子供達との掛け合いの部分だったと思うけど、悲劇的なラストで前半の彼らのシーンが思い出されてくる。
前半はサスペンス劇だが、戦士が捕まった後の後半はゲシュタポの拷問が丁寧に描かれて彼らの残酷さが浮き彫りにされる。女優を利用するのに麻薬付けにしたりとか、拷問部屋の近くには酒やゲームに溺れる享楽的な部屋があったりと、ナチスの腐敗した姿も描かれている。
あのシーンを観ながらヴィスコンティの「地獄に堕ちた勇者ども」を想像したんだけど、どうやら関係は無いみたい。ま、僕はアレは未見なので勝手な思い違いです。
出演者はほぼ知らない人ばかりですが、印刷工のフィアンセで子持ちの戦争未亡人ピーナを演じたのはアンナ・マニャーニでした。後にハリウッドに進出して主演オスカーも獲得したし、72年の「フェリーニのローマ」にも友情出演してましたね。
お薦め度は★四つ。ロッセリーニはこの後「戦火のかなた」、「ドイツ零年」と戦争ものが続く。前者はよりドキュメンタリータッチが顕著らしいし、後者は解説を読むと暗く厳しい作品らしい。尚、ロッセリーニは仏で支持され、ヌーヴェル・ヴァーグの父と呼ばれているらしい。
(1945/ロベルト・ロッセリーニ監督/アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ、マルチェロ・パリエーロ、マリア・ミーキ/106分)
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[ 7月 14日]
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[ 7月 25日 以下同じ]
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(1945/ロベルト・ロッセリーニ監督/アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ、マルチェロ・パリエーロ、マリア・ミーキ/106分)
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 
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