(1939/フランク・キャプラ製作・監督/ジェームズ・スチュワート、ジーン・アーサー、クロード・レインズ、エドワード・アーノルド、トーマス・ミッチェル、ハリー・ケリー/129分)
先日の総選挙が個人的にはアン・ハッピー・エンドだったので、今回は政治家の話で、キャプラだから多分ハッピー・エンディングだろうとコレを借りてきた。
キャプラものでは前回の「素晴らしき哉、人生!」と同じくジミー・スチュワートが主演。その他、トーマス・ミッチェルも新聞記者、ドラッグストアの店主(名前を知らない)も上院議員の役で出ていた。
地方の州の上院議員が急逝し、穴埋めに引っ張り出された青年が、実は想定外の正義感の持ち主で、陣笠を一人増やしただけと思っていたベテラン上院議員や政財界の黒幕を相手に、一歩も退かない抵抗を見せるという話。
青年議員の名はジェファーソン・スミス。地域のボーイ・スカウトの団長だ。【原題:MR.SMITH GOES TO WASHINGTON 】
ダムの計画を盛り込んだ法案を提出し、その前に当該土地を買い占めるという、今となってはクラシカルな政治家と土建屋の暗躍の話を背景にしている。汚職ですな。ところが、ダムの計画を知らないジェフが、その土地に全米の子供たちが集まれるキャンプ場を作ろうという法案を提出した為、悪い奴らが彼を追い出しにかかるというわけだ。
ジェフの秘書クラリッサ・サンダース役がジーン・アーサー。
ジェフを担ぎ出した先輩上院議員、実は黒幕とぐるになっているペイン(レインズ)に頼まれてスミスの秘書になったクラリッサは、今回のダムの裏計画も知っている。政界の裏事情に無知過ぎるジェフに呆れて一時は辞めてしまおうと思うが、純粋なジェフの熱意を感じるうちに、いつしか彼に惹かれてしまうのだった。
初めてワシントンに着いた日に、市内観光バスに乗ってジョージ・ワシントンやE・リンカーンなどの銅像を見て回る、完全におのぼりさん状態のジェフ。ある種のキャプラの想いも詰まったシーンでしょうな。
▼(ネタバレ注意)
ペイン上院議員は実はジェフの亡くなった父親の知り合いで、黒幕ジェームス・テイラー(アーノルド)が最悪の強硬手段を使わないうちにジェフに法案を取り下げるように言うのだが、ジェフが言うことを聞かない為、ついに『スミスの法案は土地転がしを狙ったものだ。』と汚職をでっち上げる。
ベテラン議員さえも自分の子分だと思っているテイラーは、ワシントンの全ての新聞社も牛耳るような大物で、“スミス追い出し”のキャンペーンまで起こしたりする為、ジェフも一度は田舎に帰ろうとする。
リンカーン像の前で意気消沈したジェフを見て、『このまま、反論もしないで故郷に帰れるの?子供たちには、なんて言い訳するの?』と話すクラリッサ。そして、二人は反撃の計画を練るのだった。
ラストは、まさかの“想定内”の決着で、後日談らしきモノもなかったため、呆気ない幕切れとなってしまったのが残念でしたな。
▲(解除)
ジーン・アーサーは「シェーン(1953)」が一番記憶にある映画だったが、あれが彼女の最後の映画出演だと知りました。「我が家の楽園(1938)」も早く観たいし、「オペラハット(1936)」ももう一度観たい!
脇役陣で今回一番印象深かったのはハリー・ケリー。上院の議長役で、新参者のジェフを暖かく見つめる姿勢と、次に何をしでかすのかと期待しているような表情がとても面白かった。どこの国の議会でも模範として欲しいような議長さんでした。
ケリーはサイレントから活躍している俳優で、晩年にはホークスの「赤い河(1948)」にも出ている。再見したくなりました。
正攻法のキャプラ演出はユーモアたっぷりで今回も楽しく観れましたが、クラリッサがジェフに惚れるシーンはもう少し粘っても良かったような気がしました。
この作品が作られたのは第二次世界大戦が始まった頃。こんな映画が作れる良心が、その頃の我が国にもあったかどうかは疑問ですな。
先日の総選挙が個人的にはアン・ハッピー・エンドだったので、今回は政治家の話で、キャプラだから多分ハッピー・エンディングだろうとコレを借りてきた。
キャプラものでは前回の「素晴らしき哉、人生!」と同じくジミー・スチュワートが主演。その他、トーマス・ミッチェルも新聞記者、ドラッグストアの店主(名前を知らない)も上院議員の役で出ていた。
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青年議員の名はジェファーソン・スミス。地域のボーイ・スカウトの団長だ。【原題:MR.SMITH GOES TO WASHINGTON 】
ダムの計画を盛り込んだ法案を提出し、その前に当該土地を買い占めるという、今となってはクラシカルな政治家と土建屋の暗躍の話を背景にしている。汚職ですな。ところが、ダムの計画を知らないジェフが、その土地に全米の子供たちが集まれるキャンプ場を作ろうという法案を提出した為、悪い奴らが彼を追い出しにかかるというわけだ。
ジェフの秘書クラリッサ・サンダース役がジーン・アーサー。
ジェフを担ぎ出した先輩上院議員、実は黒幕とぐるになっているペイン(レインズ)に頼まれてスミスの秘書になったクラリッサは、今回のダムの裏計画も知っている。政界の裏事情に無知過ぎるジェフに呆れて一時は辞めてしまおうと思うが、純粋なジェフの熱意を感じるうちに、いつしか彼に惹かれてしまうのだった。
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初めてワシントンに着いた日に、市内観光バスに乗ってジョージ・ワシントンやE・リンカーンなどの銅像を見て回る、完全におのぼりさん状態のジェフ。ある種のキャプラの想いも詰まったシーンでしょうな。
▼(ネタバレ注意)
ペイン上院議員は実はジェフの亡くなった父親の知り合いで、黒幕ジェームス・テイラー(アーノルド)が最悪の強硬手段を使わないうちにジェフに法案を取り下げるように言うのだが、ジェフが言うことを聞かない為、ついに『スミスの法案は土地転がしを狙ったものだ。』と汚職をでっち上げる。
ベテラン議員さえも自分の子分だと思っているテイラーは、ワシントンの全ての新聞社も牛耳るような大物で、“スミス追い出し”のキャンペーンまで起こしたりする為、ジェフも一度は田舎に帰ろうとする。
リンカーン像の前で意気消沈したジェフを見て、『このまま、反論もしないで故郷に帰れるの?子供たちには、なんて言い訳するの?』と話すクラリッサ。そして、二人は反撃の計画を練るのだった。
ラストは、まさかの“想定内”の決着で、後日談らしきモノもなかったため、呆気ない幕切れとなってしまったのが残念でしたな。
▲(解除)
ジーン・アーサーは「シェーン(1953)」が一番記憶にある映画だったが、あれが彼女の最後の映画出演だと知りました。「我が家の楽園(1938)」も早く観たいし、「オペラハット(1936)」ももう一度観たい!
脇役陣で今回一番印象深かったのはハリー・ケリー。上院の議長役で、新参者のジェフを暖かく見つめる姿勢と、次に何をしでかすのかと期待しているような表情がとても面白かった。どこの国の議会でも模範として欲しいような議長さんでした。
ケリーはサイレントから活躍している俳優で、晩年にはホークスの「赤い河(1948)」にも出ている。再見したくなりました。
正攻法のキャプラ演出はユーモアたっぷりで今回も楽しく観れましたが、クラリッサがジェフに惚れるシーンはもう少し粘っても良かったような気がしました。
この作品が作られたのは第二次世界大戦が始まった頃。こんな映画が作れる良心が、その頃の我が国にもあったかどうかは疑問ですな。
・お薦め度【★★★★★=大いに見るべし!】 
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もひとつでしたか?
おとぎ話ですからね~
Jスチュワートのいい人ぶりには、いつも感動しちゃうんですよ~
いえいえ、面白かったですよ。ただ、前回の「素晴らしき・・・」の様に泣けはしなかったというだけで。
特典映像でジミーとジーンが車に乗って凱旋パレードやってるみたいなシーンがあったんですが、“素晴らしき哉、クラシック映画!”さんによると、オリジナルにあったこのシーンは、公開前にカットされたらしいです。
私は、これが観たかったなぁ。
小泉チルドレンに見せたいと思うのは私も同様です。
そして、コメント&TBありがとうございました。
最近の耐震偽装マンション関連でも政治家が絡んでいるようで、いやになります。
全ての政治家必見!・・・ですね。