ネタバレしてますので、「シェルブールの雨傘」を未見の方はご遠慮下さい。
vivajijiさんも書いてらっしゃるけど、ジュヌヴィエーブはギイと別れて半年もしない内に別の男と結婚したんだよなぁ。あなたと離れては生きていけないと泣いてすがり、シェルブール駅の列車の別れでも『ジュテーム、ジュテーム、ジュテーム』と叫んでいたのに、それはないだろう。
ジュヌヴィエーブのお母さんもお母さんだ。16歳のジュヌヴィエーブが若過ぎるからと結婚を反対していたのに、カサールの求婚には賛成かよ。結局、年齢じゃなかったんだな。
ジュヌヴィエーブが結婚に踏み切った気持ちの半分は、お母さんの為だったんだよな。と、思っておこう。ご主人が亡くなった後は金銭で苦労をし、残りの人生をあんなに悲観していたんだもの。
それにカサールも良い奴だったしな。金持ちで、抱擁力があって、余所の男との赤ん坊も一緒に育てていこうと言ってくれる男なんて、世間にはそう居ない。生きて帰ってこれる保証のない男を待つよりは、確かに安心だし。
日本人には納得できないよなぁとか思ったけれど、太平洋戦争の頃の日本を想定してみたら、ジュヌヴィエーブの様な生き方を選ぶのも納得かも。
安易にギイとくっつかないマドレーヌの生き方も納得だなぁ。荒んでしまったギイの人生が軌道修正できたのも、、彼女のおかげだもんな。そういえば、彼女の生い立ちとかが曖昧だったが・・。
そして、ラストシーンだ。オカピーさんが「人生の無常」と表現されたのも、このラストシーンがあればこそだよな。
しんしんと雪の降る年の暮れ、娘を助手席に乗せてジュヌヴィエーブが立ち寄ったガソリンスタンドはギイの店。
運転席でギイを見つけて驚くジュヌヴィエーブ。ギイはちょっと怒った表情だった。
すぐに車を降りるジュヌヴィエーブを、事務所に案内するギイ。
『初めて帰って来たの、結婚式以来、シェルブールには。義母の所に行って、これからパリに帰るところよ。ちょっと回り道したんだけど、まさかあなたに逢えるとは思わなかったわ』
タバコを吸うギイ。
『可愛いクリスマスツリーね。あなたが飾ったの?』
『いや、女房さ。息子のためにね』
『そう・・』
『黒い服だね。喪中なの?』
『母が、去年の秋亡くなったの』
助手席の女の子を見つけるギイ。車のドアに降りかかる雪を固めて遊んでいる。勿論、彼とジュヌヴィエーブの娘だ。
『なんて名前、付けたんだい?』
『フランソワーズよ。あなたによく似てるわ。話してみる?』
首を横にふるギイ。『もう帰った方がいいよ』
この後、ジュヌヴィエーブは事務所を出て行く前に、悲しげな表情を浮かべて、ギイに『あなた幸福?』と聞き、ギイは『そうだ』と答える。ギイの方からジュヌヴィエーブに対して『君は(どうなの)?』というような言葉はない。
これって、やっぱドゥミ監督は、ジュヌヴィエーブがギイに対して後ろめたさを感じていると表現しているんだよね。たとえ今の暮らしが裕福で夫に愛されているとしても、心には傷を抱えている。その事が切ないんだよねぇ。
おまけの動画(↓)は、作曲者ミシェル・ルグランが自ら唄っているテーマ曲。デュエットしている女性はアンジェラ・アキではありません。ナナ・ムスクーリです。^^
vivajijiさんも書いてらっしゃるけど、ジュヌヴィエーブはギイと別れて半年もしない内に別の男と結婚したんだよなぁ。あなたと離れては生きていけないと泣いてすがり、シェルブール駅の列車の別れでも『ジュテーム、ジュテーム、ジュテーム』と叫んでいたのに、それはないだろう。
ジュヌヴィエーブのお母さんもお母さんだ。16歳のジュヌヴィエーブが若過ぎるからと結婚を反対していたのに、カサールの求婚には賛成かよ。結局、年齢じゃなかったんだな。
ジュヌヴィエーブが結婚に踏み切った気持ちの半分は、お母さんの為だったんだよな。と、思っておこう。ご主人が亡くなった後は金銭で苦労をし、残りの人生をあんなに悲観していたんだもの。
それにカサールも良い奴だったしな。金持ちで、抱擁力があって、余所の男との赤ん坊も一緒に育てていこうと言ってくれる男なんて、世間にはそう居ない。生きて帰ってこれる保証のない男を待つよりは、確かに安心だし。
日本人には納得できないよなぁとか思ったけれど、太平洋戦争の頃の日本を想定してみたら、ジュヌヴィエーブの様な生き方を選ぶのも納得かも。
安易にギイとくっつかないマドレーヌの生き方も納得だなぁ。荒んでしまったギイの人生が軌道修正できたのも、、彼女のおかげだもんな。そういえば、彼女の生い立ちとかが曖昧だったが・・。
そして、ラストシーンだ。オカピーさんが「人生の無常」と表現されたのも、このラストシーンがあればこそだよな。
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しんしんと雪の降る年の暮れ、娘を助手席に乗せてジュヌヴィエーブが立ち寄ったガソリンスタンドはギイの店。
運転席でギイを見つけて驚くジュヌヴィエーブ。ギイはちょっと怒った表情だった。
すぐに車を降りるジュヌヴィエーブを、事務所に案内するギイ。
『初めて帰って来たの、結婚式以来、シェルブールには。義母の所に行って、これからパリに帰るところよ。ちょっと回り道したんだけど、まさかあなたに逢えるとは思わなかったわ』
タバコを吸うギイ。
『可愛いクリスマスツリーね。あなたが飾ったの?』
『いや、女房さ。息子のためにね』
『そう・・』
『黒い服だね。喪中なの?』
『母が、去年の秋亡くなったの』
助手席の女の子を見つけるギイ。車のドアに降りかかる雪を固めて遊んでいる。勿論、彼とジュヌヴィエーブの娘だ。
『なんて名前、付けたんだい?』
『フランソワーズよ。あなたによく似てるわ。話してみる?』
首を横にふるギイ。『もう帰った方がいいよ』
この後、ジュヌヴィエーブは事務所を出て行く前に、悲しげな表情を浮かべて、ギイに『あなた幸福?』と聞き、ギイは『そうだ』と答える。ギイの方からジュヌヴィエーブに対して『君は(どうなの)?』というような言葉はない。
これって、やっぱドゥミ監督は、ジュヌヴィエーブがギイに対して後ろめたさを感じていると表現しているんだよね。たとえ今の暮らしが裕福で夫に愛されているとしても、心には傷を抱えている。その事が切ないんだよねぇ。
おまけの動画(↓)は、作曲者ミシェル・ルグランが自ら唄っているテーマ曲。デュエットしている女性はアンジェラ・アキではありません。ナナ・ムスクーリです。^^
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