(2009/ジョン・リー・ハンコック監督・脚本/サンドラ・ブロック、クィントン・アーロン、ティム・マッグロウ、リリー・コリンズ、ジェイ・ヘッド、レイ・マッキノン、キャシー・ベイツ/128分)
ジョン・リー・ハンコックの名前に見覚えがあったのでMYブログを確認したら、「オールド・ルーキー」の監督だった。「オールド・ルーキー」は高校教師が一度はあきらめたメジャーリーガーに再挑戦するという実話が元になった作品だったが、この「しあわせの隠れ場所」も一人のアメリカン・フットボール選手の実話が背景にある。
ハンコックさん、スポーツ系の感動的実話が好きなのかな。
「しあわせの隠れ場所」を観る。1回目はプロローグのくだりをストーリーの一部と誤解したまま観てしまって、2回目でそれが分かった。冒頭の聞き取り調査のシーンも要るかなぁ?って感じ。ハートフルなお話なので何回かウルウルしたけれど。
([4月24日] Twitter on 十瑠より)
アメリカ南部の都市メンフィス。
キリスト教系の私立学校を一組の黒人の親子が訪ねてくる。スポーツが得意な息子を転校させたいとやって来たのだが、アメフト部のコーチにはもう一人息子の友だちも連れてきたのでその子も見てくれという。ビッグマイクと呼ばれるその少年は大きな体にも関わらず俊敏な動きをしていてコーチは一瞬で彼に興味を持った。是非とも彼をチームに入れたいと。
ビッグマイク。本名はマイケル・オアー。父親は行方不明、母親も薬物中毒で生活は貧困を極める。そんな彼を案じて友達の父親は時々寝る所を提供してあげていたのだ。
元々成績が思わしくなく転校してきても授業に付いてこれないだろうと見られていたが、建学の精神に則りマイケルは学校に入ることになった。食事も十分ではなく、学校の体育館で開かれる競技会の観戦者が残していったポテトチップスを拾い集めて空腹を紛らわし、着替えのTシャツをコインランドリーで洗っては着替える。
ある寒い夜。マイケルは寒さをしのごうと体育館に向かっていた。格好はいつものよれよれのポロシャツにハーフパンツ。
そこに通りかかったのがテューイ家の車だった。運転していたのはショーン・テューイ、そして同乗者は妻のリー・アンと息子のショーンJr。小ショーンは自称SJ(エスジェイ)。SJもマイケルと同じ学校に通っていて当然彼の事も知っていた。
あまりに寒そうなのでショーンが『どこに行くんだ?』と聞くとマイケルは短く『体育館』と答えた。
一度は行き過ぎたが気になったリー・アンは車を降りてマイケルを呼び止め話しかけた。
『こんな夜に体育館に行って何をするつもり?』
『あそこは暖かいから』
『だからってもう閉まってるわよ。あなた今夜寝る所はあるの?』
『はい』
『嘘は言わないでよ』
マイケルはかぶりを振った。
しばし考えたリー・アンはマイケルを車の後部座席に乗せた。初対面と言っていい体の大きな黒人の少年を家に泊める事にしたのだ。
こうしてマイケルとテューイ家との物語が始まっていく。
「オールド・ルーキー」はアスリートの野球選手が主人公の物語でしたが、これはマイケルよりはリー・アンが主人公ですね。
彼女自身が途中で友人に語るように、彼女がマイケルの人生を変えたのではなく、マイケルが彼女の人生を変えた物語でした。
ということでテューイ家の家族についてもう少し書いておきましょう。
父親のショーンはミシシッピ大出身で大学時代はバスケットボールの花形選手、今は85店のレストランを経営している実業家。
同じ大学でチアリーダーをしていたリー・アンは売れっ子のインテリア・デザイナー。
SJにはお姉ちゃんがいて名前はコリンズ。彼女も同じ学校に通ってて、バレーボールやチアリーディングをしている。
SJは小さいがスポーツが大好きで、後にマイケルのトレーニングをリードしてくれる頼もしい奴であります。
口の重たいマイケルから徐々に彼の人生を聞き出し、今まで知らなかった世界を知っていくリー・アン。
口先だけではない実践的なクリスチャンとしての生き方に目覚めていく感じがして、ジワっとくるシーンが何か所もありましたね。あっ、僕はクリスチャンでもなんでもないですが。
お薦め度は★二つ半。
「オールド・ルーキー」もそうだったけど尺が長いのが欠点かな。エピソードの流れはオカシクないんだけど、例えば有名になったマイケルを色々な大学が勧誘にくるシーン等ありふれてる分余計に長く感じたなぁ。
ただ、若い人達にはユーモアもあるし、★三つ【一見の価値あり】くらいの良いお話だと思います。
他の部分に挿入しても良かったのではないかと思ったプロローグについて。
アメフトは良く知らないので間違っているかもしれませんが、過去のある試合でアメフトの中枢ポジションであるクォーターバックの選手が敵のディフェンスに潰されて大怪我をするシーンで、この衝撃的なプレイによってクォーターバックを守るミッションを持った選手が必要になったという解説なのでした。
この重要なポジションの選手は身体が大きくて俊敏な動きが求められる。マイケルにはその素質と能力があったから求められらたし才能も開花していったわけです。
原題は【THE BLIND SIDE】
<原題の「ブラインドサイド」とは、クォーターバックの利き手逆側の、死角になり易いサイドの事で、右利きクォーターバックの場合は左側である。パスプレイの際、クォーターバックの体は利き手側に向くため(右利きの場合右方向)、逆側は死角になりやすい。よってブラインドサイドのオフェンスタックルは、オフェンスライン内でも特に重要とされ、高い能力が求められる。映画の冒頭ではワシントン・レッドスキンズのジョー・サイズマンがローレンス・テイラーにサックされ再起不能となったプレーが映し出される>とウィキペディアには書かれていました。
映画のテーマを思えば、リッチな白人社会には見えない貧困にあえぐ黒人社会をさしているのではないでしょうかね。
2009年のアカデミー賞では作品賞にノミネート、見事サンドラ・ブロックが主演女優賞に輝きました。
サンドラはゴールデン・グローブ賞、放送映画批評家協会賞でも女優賞を獲得したそうです。
尚、テューイ家の長女コリンズを演じていたリリー・コリンズは、あのフィル・コリンズのお嬢さんらしいです。可愛かったなぁ。
ジョン・リー・ハンコックの名前に見覚えがあったのでMYブログを確認したら、「オールド・ルーキー」の監督だった。「オールド・ルーキー」は高校教師が一度はあきらめたメジャーリーガーに再挑戦するという実話が元になった作品だったが、この「しあわせの隠れ場所」も一人のアメリカン・フットボール選手の実話が背景にある。
ハンコックさん、スポーツ系の感動的実話が好きなのかな。
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([4月24日] Twitter on 十瑠より)
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キリスト教系の私立学校を一組の黒人の親子が訪ねてくる。スポーツが得意な息子を転校させたいとやって来たのだが、アメフト部のコーチにはもう一人息子の友だちも連れてきたのでその子も見てくれという。ビッグマイクと呼ばれるその少年は大きな体にも関わらず俊敏な動きをしていてコーチは一瞬で彼に興味を持った。是非とも彼をチームに入れたいと。
ビッグマイク。本名はマイケル・オアー。父親は行方不明、母親も薬物中毒で生活は貧困を極める。そんな彼を案じて友達の父親は時々寝る所を提供してあげていたのだ。
元々成績が思わしくなく転校してきても授業に付いてこれないだろうと見られていたが、建学の精神に則りマイケルは学校に入ることになった。食事も十分ではなく、学校の体育館で開かれる競技会の観戦者が残していったポテトチップスを拾い集めて空腹を紛らわし、着替えのTシャツをコインランドリーで洗っては着替える。
ある寒い夜。マイケルは寒さをしのごうと体育館に向かっていた。格好はいつものよれよれのポロシャツにハーフパンツ。
そこに通りかかったのがテューイ家の車だった。運転していたのはショーン・テューイ、そして同乗者は妻のリー・アンと息子のショーンJr。小ショーンは自称SJ(エスジェイ)。SJもマイケルと同じ学校に通っていて当然彼の事も知っていた。
あまりに寒そうなのでショーンが『どこに行くんだ?』と聞くとマイケルは短く『体育館』と答えた。
一度は行き過ぎたが気になったリー・アンは車を降りてマイケルを呼び止め話しかけた。
『こんな夜に体育館に行って何をするつもり?』
『あそこは暖かいから』
『だからってもう閉まってるわよ。あなた今夜寝る所はあるの?』
『はい』
『嘘は言わないでよ』
マイケルはかぶりを振った。
しばし考えたリー・アンはマイケルを車の後部座席に乗せた。初対面と言っていい体の大きな黒人の少年を家に泊める事にしたのだ。
こうしてマイケルとテューイ家との物語が始まっていく。
*
「オールド・ルーキー」はアスリートの野球選手が主人公の物語でしたが、これはマイケルよりはリー・アンが主人公ですね。
彼女自身が途中で友人に語るように、彼女がマイケルの人生を変えたのではなく、マイケルが彼女の人生を変えた物語でした。
ということでテューイ家の家族についてもう少し書いておきましょう。
父親のショーンはミシシッピ大出身で大学時代はバスケットボールの花形選手、今は85店のレストランを経営している実業家。
同じ大学でチアリーダーをしていたリー・アンは売れっ子のインテリア・デザイナー。
SJにはお姉ちゃんがいて名前はコリンズ。彼女も同じ学校に通ってて、バレーボールやチアリーディングをしている。
SJは小さいがスポーツが大好きで、後にマイケルのトレーニングをリードしてくれる頼もしい奴であります。
口の重たいマイケルから徐々に彼の人生を聞き出し、今まで知らなかった世界を知っていくリー・アン。
口先だけではない実践的なクリスチャンとしての生き方に目覚めていく感じがして、ジワっとくるシーンが何か所もありましたね。あっ、僕はクリスチャンでもなんでもないですが。
お薦め度は★二つ半。
「オールド・ルーキー」もそうだったけど尺が長いのが欠点かな。エピソードの流れはオカシクないんだけど、例えば有名になったマイケルを色々な大学が勧誘にくるシーン等ありふれてる分余計に長く感じたなぁ。
ただ、若い人達にはユーモアもあるし、★三つ【一見の価値あり】くらいの良いお話だと思います。
他の部分に挿入しても良かったのではないかと思ったプロローグについて。
アメフトは良く知らないので間違っているかもしれませんが、過去のある試合でアメフトの中枢ポジションであるクォーターバックの選手が敵のディフェンスに潰されて大怪我をするシーンで、この衝撃的なプレイによってクォーターバックを守るミッションを持った選手が必要になったという解説なのでした。
この重要なポジションの選手は身体が大きくて俊敏な動きが求められる。マイケルにはその素質と能力があったから求められらたし才能も開花していったわけです。
原題は【THE BLIND SIDE】
<原題の「ブラインドサイド」とは、クォーターバックの利き手逆側の、死角になり易いサイドの事で、右利きクォーターバックの場合は左側である。パスプレイの際、クォーターバックの体は利き手側に向くため(右利きの場合右方向)、逆側は死角になりやすい。よってブラインドサイドのオフェンスタックルは、オフェンスライン内でも特に重要とされ、高い能力が求められる。映画の冒頭ではワシントン・レッドスキンズのジョー・サイズマンがローレンス・テイラーにサックされ再起不能となったプレーが映し出される>とウィキペディアには書かれていました。
映画のテーマを思えば、リッチな白人社会には見えない貧困にあえぐ黒人社会をさしているのではないでしょうかね。
2009年のアカデミー賞では作品賞にノミネート、見事サンドラ・ブロックが主演女優賞に輝きました。
サンドラはゴールデン・グローブ賞、放送映画批評家協会賞でも女優賞を獲得したそうです。
尚、テューイ家の長女コリンズを演じていたリリー・コリンズは、あのフィル・コリンズのお嬢さんらしいです。可愛かったなぁ。
・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 
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