(2000/ロバート・レッドフォード監督・共同製作/ウィル・スミス、マット・デイモン、シャーリーズ・セロン、J・マイケル・モンクリーフ、ジャック・レモン)
ゴルフの映画というのは珍しい。これ以前に観たのは、ロン・シェルトンの「ティン・カップ(1996)」(主演:ケヴィン・コスナー)くらいしか覚えていない。
ロバート・レッドフォードの「モンタナの風に抱かれて(1998)」に続く監督第6作。
落ちぶれたかつての天才ゴルファーが、神秘的なキャディーに助けられて、昔の恋人の企画した著名なゴルファー達との試合に挑戦するという話。アメリカの大恐慌時代の話だ。
“バガー・ヴァンス”というのは、その神がかり的な助言を与える黒人キャディーの名。演じるのはウィル・スミス。忽然と現れ、『スイングを失った』ゴルファーにキャディを申し出る。主役のゴルファーに憧れる少年ハーディー(モンクリーフ=この作品の語り手の少年時代)と一緒に、試合前夜のコースの下見をするシーンでの会話は、スポーツを神聖視するアメリカらしく、人生案内的で印象深い。
レッドフォードらしい個々の人間の心理描写がしっかりと描かれていて、今回はファンタジーの要素が過去の作品群より強い。観賞後にポジティブな気分になれる作品である。
“著名なゴルファー達”というのは、球聖ボビー・ジョーンズとウォルター・ヘーゲン。どちらも実在したゴルファーで、演じたのが、ジョエル・グレッチとブルース・マックギル。ヘーゲンは知らないが、B・ジョーンズは、あのマスターズが行われるアトランタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのコースも設計した、ゴルフ界の偉人ですな。
主役の天才ゴルファー、ラナルフ・ジュナ役はM・デイモン。
16歳でジョージア・オープンに優勝したジュナは、サバーナの町の誇り。第一次世界大戦に意気揚々と参加するも、大勢の部下を死なせた事にショックを受け、故郷にもひっそりと帰ってくる。
酒浸りで無気力状態のジョナは無精髭があってそれらしかったが、試合に参加した時のデイモンは、髭無しの顔がえらく若く感じて、“復活”というよりも“新人の挑戦”という雰囲気だった。
デイモンはゴルフクラブを握るのもこの時が初めてらしく、プロのコーチに習ってグリップから覚えていったらしい。スイングの美しい前出の二人と違って、彼のティー・ショットは素人目にもいまいちであった。
ジュナの恋人アデール役はS・セロン。「サイダーハウス・ルール(1999)」の翌年なのに、少女のようだった前作と違って随分と大人びて見えた。「華麗なるギャツビー」を彷彿とさせる衣装の数々。ファッションは分からないけど、シャーリーはどれも美しくて見とれてしまいそうだった。
W・スミスは「インデペンデンス・デイ(1996)」と「メン・イン・ブラック(1997)」くらいしか観てない。神秘的なイメージは全然なくて、どんなモノやらと思っていたが、いつも穏やかな表情で静かにしゃべる“バガー・ヴァンス”の不思議なキャラクターが作れていた。
『父親が会社のオーナーだったこともあり比較的裕福な家庭に育つ。その大らかな性格から“プリンス”の愛称で呼ばれていた。』とのことだから、適役だったのかも知れない。
<前述した“バガー・ヴァンス”の(少年への)言葉>
『グリップが正しければ、人生の把握(グリップ)も正しい。ゴルフのリズムは人生のリズムだ。』
『自分のスイングを見つければ勝てる。人は誰でも、どこかに、自分のスイングを持ってる。もって生まれたもので、教えたり学んだり出来ないスイングだ。大切にしないと、それは身体のどこかに埋もれてしまい、見失ってしまう。あとに残るのは後悔だけ。スイングの形さえ忘れる。』
『自分のスイングを忘れるな。人は誰でもどこかに唯一のスイングを持っている。宇宙の一部になるまで打ち続けろ。持って生まれたものだ。』
老人になったハーディーを演じたのがジャック・レモン。これが遺作になったとのことである。映画の中でゴルフも出来てたのに・・・やっぱり、寂しいなぁ。
・2009年の再見記事はコチラ。
ゴルフの映画というのは珍しい。これ以前に観たのは、ロン・シェルトンの「ティン・カップ(1996)」(主演:ケヴィン・コスナー)くらいしか覚えていない。
ロバート・レッドフォードの「モンタナの風に抱かれて(1998)」に続く監督第6作。
落ちぶれたかつての天才ゴルファーが、神秘的なキャディーに助けられて、昔の恋人の企画した著名なゴルファー達との試合に挑戦するという話。アメリカの大恐慌時代の話だ。
“バガー・ヴァンス”というのは、その神がかり的な助言を与える黒人キャディーの名。演じるのはウィル・スミス。忽然と現れ、『スイングを失った』ゴルファーにキャディを申し出る。主役のゴルファーに憧れる少年ハーディー(モンクリーフ=この作品の語り手の少年時代)と一緒に、試合前夜のコースの下見をするシーンでの会話は、スポーツを神聖視するアメリカらしく、人生案内的で印象深い。
レッドフォードらしい個々の人間の心理描写がしっかりと描かれていて、今回はファンタジーの要素が過去の作品群より強い。観賞後にポジティブな気分になれる作品である。
“著名なゴルファー達”というのは、球聖ボビー・ジョーンズとウォルター・ヘーゲン。どちらも実在したゴルファーで、演じたのが、ジョエル・グレッチとブルース・マックギル。ヘーゲンは知らないが、B・ジョーンズは、あのマスターズが行われるアトランタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのコースも設計した、ゴルフ界の偉人ですな。
主役の天才ゴルファー、ラナルフ・ジュナ役はM・デイモン。
16歳でジョージア・オープンに優勝したジュナは、サバーナの町の誇り。第一次世界大戦に意気揚々と参加するも、大勢の部下を死なせた事にショックを受け、故郷にもひっそりと帰ってくる。
酒浸りで無気力状態のジョナは無精髭があってそれらしかったが、試合に参加した時のデイモンは、髭無しの顔がえらく若く感じて、“復活”というよりも“新人の挑戦”という雰囲気だった。
デイモンはゴルフクラブを握るのもこの時が初めてらしく、プロのコーチに習ってグリップから覚えていったらしい。スイングの美しい前出の二人と違って、彼のティー・ショットは素人目にもいまいちであった。
ジュナの恋人アデール役はS・セロン。「サイダーハウス・ルール(1999)」の翌年なのに、少女のようだった前作と違って随分と大人びて見えた。「華麗なるギャツビー」を彷彿とさせる衣装の数々。ファッションは分からないけど、シャーリーはどれも美しくて見とれてしまいそうだった。
W・スミスは「インデペンデンス・デイ(1996)」と「メン・イン・ブラック(1997)」くらいしか観てない。神秘的なイメージは全然なくて、どんなモノやらと思っていたが、いつも穏やかな表情で静かにしゃべる“バガー・ヴァンス”の不思議なキャラクターが作れていた。
『父親が会社のオーナーだったこともあり比較的裕福な家庭に育つ。その大らかな性格から“プリンス”の愛称で呼ばれていた。』とのことだから、適役だったのかも知れない。
<前述した“バガー・ヴァンス”の(少年への)言葉>
『グリップが正しければ、人生の把握(グリップ)も正しい。ゴルフのリズムは人生のリズムだ。』
『自分のスイングを見つければ勝てる。人は誰でも、どこかに、自分のスイングを持ってる。もって生まれたもので、教えたり学んだり出来ないスイングだ。大切にしないと、それは身体のどこかに埋もれてしまい、見失ってしまう。あとに残るのは後悔だけ。スイングの形さえ忘れる。』
『自分のスイングを忘れるな。人は誰でもどこかに唯一のスイングを持っている。宇宙の一部になるまで打ち続けろ。持って生まれたものだ。』
老人になったハーディーを演じたのがジャック・レモン。これが遺作になったとのことである。映画の中でゴルフも出来てたのに・・・やっぱり、寂しいなぁ。
・2009年の再見記事はコチラ。
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】
ウィル・スミスはものすごいジェントルマンなんですって。お母さんのしつけが厳しかったらしく、女性への配慮はすごい行き届いているらしいです。どこか育ちのいいボンボンっぽく見えますよね。
拾いものでした。
レモンの遺作がちゃんとした映画でよかったです。
あ~、これが遺作だったんですねぇ。
二人のゴルファーが実在の人物だったことなど、とても参考になりました☆
当方の拙い記事ですが、TB返しさせてくださいね。
言われるとそうかも。でも、マットファンには怒られちゃうよな~
「俳優別映画紹介」(http://filters417.blog37.fc2.com/)の
管理人の180tcpです。
TB返し、ありがとうございました。
十瑠さんのサイト拝見しました。
情報量が多く素晴らしいサイトですね。
事後報告で申し訳ありませんが、この度、勝手ながら
貴サイトを掲載させていただきました。
もし、可能でしたら相互リンクをお願いできませんでしょうか?
ご検討いただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします。
>可能でしたら相互リンクをお願いできませんでしょうか?
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コチラこそ、宜しくお願いします。