::: テアトル十瑠 :::

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

SCREEN、1967年2月号

2015-08-02 | つぶやきメモ
(↓Twitter on 十瑠 から(一部修正あり))

十日ほど前に図書館で借りた「SCREEN」。なんと1967年2月号です。散歩のついでに寄ったら、こんな珍しいのを見つけまして衝動的に借りてきましたが、なかなか読まないもんですな。なのでツイートしながら見てみましょ。まずは表紙は、オードリー。この頃定番のヘアスタイルにお化粧です。
 [ 7月30日 以下同じ]

表紙をめくるといきなりカレンダーが三つ折りになって、そのカレンダーには「サンパブロ」の水兵姿のマックィーン。へぇ、この頃はカレンダーが付いてたのね。この2、3年後から買いだした雑誌だけど、カレンダーは記憶が無いなぁ。

更にその次には楽譜が付いてますよ。「夕陽のガンマン」。日本語の歌詞まで付いてますが、誰か唄ってた?作詞:ヒライワタカシさん。

ついでに表紙の裏は最新作のポスターで、映画は「ベネチタ事件」。主演がロバート・ボーンにエルケ・ソマー。ヴォーンじゃなくてボーンってのが時代を感じるね。共演者にボリス・カーロフ!

さて、裏表紙はと見ると、「パリは燃えているか」。そういえば、ツタヤにも新しいDVDコーナーに見かけたような気がしたが、どうやら今年4月にDVD発売されたらしい。ベルモンドとドロンはこの時も共演してたんだな。

裏表紙の裏はやはり新作映画のポスター。「カレードマン大胆不敵」。未見ですけど名前は知っているジャック・スマイトのアクション映画。ウォーレン・ビーティとスザンナ・ヨーク。「パリは・・・」は70mmのパナビジョン、「カレードマン」は“総天然色”が売りだったみたいです。時代だなぁ。

驚いたのが批評家のベストテンが載っていた事。僕が買いだした頃は批評家ベスト10は3月号で、読者のは5月って決まってて、少なくとも3年間は変わらなかったと覚えてるけどね。

も一つ驚いたのがその19人の批評家の中に淀川さんが入っていなかった事。飯島正(以下敬称略)、井沢淳、岡俊雄、岡田晋、荻昌弘、草壁久四郎、古波蔵保好、小森和子、品田雄吉、清水千代太、杉山静夫、津村秀夫、登川直樹、野口久光、秦早穂子、林玉樹、林冬子、深沢哲也、双葉十三郎。

ついでにこの年のベストワンは「市民ケーン」。以下「幸福」「大地のうた」「奇跡の丘」「男と女」「パリは燃えているか」「魂のジュリエッタ」「小間使の日記」「ドクトル・ジバゴ」「オセロ」。ヨーロッパ全盛でありますな。

新作紹介の中に「アルジェの戦い」があった。66年度ベネチア映画祭のグランプリ。アルジェリアのフランスからの独立運動を描いた、イタリアとアルジェリアの合作で<映画祭で受賞が決まった瞬間、トリュフォーを除くすべてのフランス代表団がベネチアを去ってしまった>と書いてある。時代だねぇ。

現在撮影中として紹介されてたのが「冒険者たち」と「昼顔」。「昼顔」はドヌーヴの新作としての紹介だけど、ブニュエルの演出にも期待すると書かれていた。一方「冒険者たち」はドロンとヴァンチュラの紹介はあったけどロベール・アンリコの名前は出てなかった。まだセレブじゃなかったんだな。

それにしてもこの約半世紀前の雑誌、よく残っていたのも驚きだが、所々ハサミで切りぬいた跡が彼方此方にあるのもびっくり。公の物なのによくこんなことが出来るもんだ。こういう事実はニュースで知ってはいたけど実際に見ると嫌な気分になるね。

明日返す1967/2月号のSCREENについてもう少し書いておこう。ベストテンの11位以下について。「マドモアゼル」「マンハッタンの哀愁」「ビバ!マリア」「戦争と平和」「いのちの紐」「テキサスの五人の仲間」「寒い国から帰ったスパイ」「野生のエルザ」で18本。19位が同点で3本ある
 [ 8月 1日 以下同じ]

「いつか見た青い空」「国境は燃えている」「ミクロの決死圏」。

各評論家のベスト1は大抵ベスト10の中に入っているもんだが、西部劇がお好きだった深沢さんのナンバー1はパクラの「いのちの紐」。アン・バンクロフトとシドニー・ポアチエ共演。実は未見なんです。自殺しようとしている女性を、電話で必死に説得する男性。そんなドラマらしい。

アーサー・ペンの「逃亡地帯」が22位に入ってるんだが、得点の9は林玉樹さんの2位だから。一人しか投票が無いって寂しいなぁ。ワイラーの「おしゃれ泥棒」はもっと低い25位。だけど3人の票があったもんねぇ。






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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きっと読んでいたかも。 (vivajiji)
2015-08-04 09:09:35
映画雑誌貴重本ですね。^^
今は捨て病の私でも、この頃は
全て、特に「映画の友」「スクリーン」は
大事に大事に保管してありました。何せ
映画情報の源でしたから。
ある時、一気に、母に捨てられましたが。

「いのちの紐」。名作です!
パクラでしたか?
ポラックの初監督作ではなかったかと。

返信する
ほんまや! (十瑠)
2015-08-04 09:58:46
「いのちの紐」=ポラックさんでした
確かめもせず、思い込みで書いてしまいましたがな。
ご指摘、サンキューです

脚本:スターリング・シリファント
音楽:クインシー・ジョーンズ

もう(↑)これだけで★三つですね。
返信する
よくあったな~~ (anupam)
2015-08-06 10:59:34
よくありましたね、これだけ古い雑誌が!!!

ワタクシもよく
「あれとっておけばよかったな」
と思いますです。

にしても、淀チョーさんがいないって???
なぜ??
返信する
遅くなりました~ (十瑠)
2015-08-07 20:57:45
ちょいと外泊なんぞしまして遅くなりやした。

グラビアが懐かしくてねぇ。
でも、アン・マーグレットとかソフィア・ローレンとか、クロディーヌ・オージェ、ドモンジョ様とか・・・。

>にしても、淀チョーさんがいないって???なぜ??

急病とかかも知れませんが、分かりません
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