循環無端~cycle endless~

土を耕し野菜を栽培する。栽培した野菜を発酵作用等で加工し、食す生活を夢見ています。

創作・短歌

2017年08月12日 12時07分16秒 | ETUDE
・故あって恩ある人と別れ来て胸中深く悔いを閉じ居る

・車窓から恩ある人を眺め居る返せるならばすぐに済ませり

・異郷なり津軽の地にて根を下ろし今年で三十九年となりぬ

・根無し草異郷の地にて根を張りぬ我に故郷は忘却となる

・今更に夢を育む気力なく日々をなんとか食いつなぎたり

・心寄せ愛しく思う人はまた五人の童これから産めり

・できるなら裸一貫もう一度既成の殻を打ち破りたし

・次男坊幼少期から鍛えられ祖父と一緒に杉を育てぬ

・息詰まる小都市の風我は忌み目当てすらなく出奔せる春

・愛車あり十八万キロ走破せるあと一年の寿命見えつつ

・川べりに咲きしアザミの鮮やかさ我は歩を止め若き日思う

・灼熱を色に取り込み飛び回るゼロ戦のごとショウジョウトンボ

・この色をどう受け継ぐかDNA紫色は紫色で



・いつからか温厚の友今病めり職を辞したとうわさに聞けり

・若き人己が向きとはあらぬ方舵切ることにこころ波打つ

・岩木山黒き雲にて隠れたる己が心も引き込まれつつ

・逝きし父夢の中にて叱り居るああ夢なりと気づける朝に

・言葉無き吾子ら齢は中年に白髪の数も年々増えて

・両親の亡き後思う吾子哀れ傍らに寝る二人見つめて

・名を呼べばフフフと笑むは次女なりき言葉なくとも心和らぐ

・好きという思いを力に変えてゆく両腕のみで鍵盤目指す

・ケアホーム住まいて早も七年目二人の吾子の暮らしも慣れて

・盂蘭盆に帰宅せる娘らにぎやかに難聴の祖母は心癒され