・故あって恩ある人と別れ来て胸中深く悔いを閉じ居る
・車窓から恩ある人を眺め居る返せるならばすぐに済ませり
・異郷なり津軽の地にて根を下ろし今年で三十九年となりぬ
・根無し草異郷の地にて根を張りぬ我に故郷は忘却となる
・今更に夢を育む気力なく日々をなんとか食いつなぎたり
・心寄せ愛しく思う人はまた五人の童これから産めり
・できるなら裸一貫もう一度既成の殻を打ち破りたし
・次男坊幼少期から鍛えられ祖父と一緒に杉を育てぬ
・息詰まる小都市の風我は忌み目当てすらなく出奔せる春
・愛車あり十八万キロ走破せるあと一年の寿命見えつつ
・川べりに咲きしアザミの鮮やかさ我は歩を止め若き日思う
・灼熱を色に取り込み飛び回るゼロ戦のごとショウジョウトンボ
・この色をどう受け継ぐかDNA紫色は紫色で
・いつからか温厚の友今病めり職を辞したとうわさに聞けり
・若き人己が向きとはあらぬ方舵切ることにこころ波打つ
・岩木山黒き雲にて隠れたる己が心も引き込まれつつ
・逝きし父夢の中にて叱り居るああ夢なりと気づける朝に
・言葉無き吾子ら齢は中年に白髪の数も年々増えて
・両親の亡き後思う吾子哀れ傍らに寝る二人見つめて
・名を呼べばフフフと笑むは次女なりき言葉なくとも心和らぐ
・好きという思いを力に変えてゆく両腕のみで鍵盤目指す
・ケアホーム住まいて早も七年目二人の吾子の暮らしも慣れて
・盂蘭盆に帰宅せる娘らにぎやかに難聴の祖母は心癒され
・車窓から恩ある人を眺め居る返せるならばすぐに済ませり
・異郷なり津軽の地にて根を下ろし今年で三十九年となりぬ
・根無し草異郷の地にて根を張りぬ我に故郷は忘却となる
・今更に夢を育む気力なく日々をなんとか食いつなぎたり
・心寄せ愛しく思う人はまた五人の童これから産めり
・できるなら裸一貫もう一度既成の殻を打ち破りたし
・次男坊幼少期から鍛えられ祖父と一緒に杉を育てぬ
・息詰まる小都市の風我は忌み目当てすらなく出奔せる春
・愛車あり十八万キロ走破せるあと一年の寿命見えつつ
・川べりに咲きしアザミの鮮やかさ我は歩を止め若き日思う
・灼熱を色に取り込み飛び回るゼロ戦のごとショウジョウトンボ
・この色をどう受け継ぐかDNA紫色は紫色で
・いつからか温厚の友今病めり職を辞したとうわさに聞けり
・若き人己が向きとはあらぬ方舵切ることにこころ波打つ
・岩木山黒き雲にて隠れたる己が心も引き込まれつつ
・逝きし父夢の中にて叱り居るああ夢なりと気づける朝に
・言葉無き吾子ら齢は中年に白髪の数も年々増えて
・両親の亡き後思う吾子哀れ傍らに寝る二人見つめて
・名を呼べばフフフと笑むは次女なりき言葉なくとも心和らぐ
・好きという思いを力に変えてゆく両腕のみで鍵盤目指す
・ケアホーム住まいて早も七年目二人の吾子の暮らしも慣れて
・盂蘭盆に帰宅せる娘らにぎやかに難聴の祖母は心癒され