創作・短歌

・足音で誰が来たかを当てられる歩く靴音性格の出る

・あの人のどこをどれだけわかったか理解の程度が愛することか

・この五年ギネスブックにゃ載らぬけど家内と戦無くなりました


・フレディがもぎ取られて行く風無尽ひらりはらりと行かない明日


・エスエフの未来戦争描くよなＪアラートのいぶかしき音


・山鳩の鳴き声聞いて真似てみるトオキョヤッカダイトオキョヤッカダイ

創作・詩

「子孫繁栄術」

【栗の場合】

栗は
一番大切な
子孫を
一つのイガに
託した
それは
イガで
身を包み
本当に熟さないと
口を開けない
仕組みだ
そして
時が来れば
イガの口を
開いて
風を
待つだけだ
確実に
安全に
子孫を
残すため
その仕組みを
一つずつの
イガに
備えさせた
栗の木

落下した
一つのイガは
周りを
厚い皮と
イガで包んで
クッションとなる
口を開けていると
子供たちが
イガから
飛び出すことだってある
その時のために
栗の実一つずつ
外側には
鬼皮という固い皮を
内側には渋皮で
二重三重に
包んだのだ
こうすることで
天敵からも
身を守れる仕組みを
備えさせたのだ
栗の
子孫繁栄術
大したもんです

創作・俳句・晩秋

・十三夜大根ぼうっと下がり居る

・ガマズミの紅き実我を誘いおる

・白鳥の落穂を拾う三十羽

・白鳥とカラスの集う刈田かな

・行く秋や酒燗をして暦繰る

・末枯れる薄の穂波手踊りす

創作・短歌

・気抜けする心が遠く会った時なんだそんなことが迷宮だった

・子のことを気にしない親なんてないさ気にし続ける親の弱みよ

・嬉しさをそっくりそのまま容れられず照れ隠しかな馬鹿言いやがる

・しがらみにきゅうきゅうとする今の我飛ぶんだいまこそ断ち切れよ

・引き際がうまいぞアサガオ神無月伏線は種殻は担保か

・津軽ではハンツケという仲間はずしを異国の者は孤立で感ず

・・彩りのドレス着るごと身を包みオータムレディは風と去りぬ