サブロー日記

随筆やエッセイを随時発信する

恋 塚

2008年06月07日 | Weblog
 恋 塚
「恋塚の一日を春の句に浸る」この句は今は亡き竹の谷の片岡素琴さんの句である。もうあれから50年にもなる。
 今日は役場の人に頼まれ、池川の伝説の中の人物、木流し喜助の墓の確認に、ここ池川、川内谷字引地。通称お大師堂と言われるところへやって来た。坂を上って来るのがしんどかった。ここには小生の祖父の墓があった処でよく来た覚えがある。そのすぐ近くに石積みの祠があった事を覚えていた。その祠はこれも池川の伝説にある。比翼塚゜「心中した男女を一所に葬って建てた塚」と思っていたが、ここでシキビを作っている源さんに聞くと、その祠が「喜助の墓よ」との事である。なるほど後で、小生の観光に関する書類を引っ張り出して調べてみると。比翼塚は二ッ並んで墓があることが判った。で、この一つしかない祠は喜助の墓である事が確認出来た。してみると、恋塚は何処にあるだろう?。
 その時である。そのすぐ近くの杉林の中で、あの、赤い嘴をした。赤ショウビンのこえである 。この鳥を写真に撮りたく、追ってもう50年。今日こそ、お目にかかれると、もう塚の事もそちのけ、カメラのシャッターに手を掛け、抜き足差し足、声の方、杉林に入って来るも、その姿が見えない。声も無くなった。飛び立つ羽音は聞こえない、何処かに居る。20メートルもあろう杉の梢を探して見るもついにお目にかかることが出来なかった。この近く茶畑で小学生の頃お茶摘みの時、赤ショウビンを見たのが最初で最後である。なんとか見たいものである。
 残念無念と杉林を出ようとするその時、何とその足元に、二つ並んだ石塚があるではないか。しばし目を疑った。ああこれだ。これが比翼塚だ。ポケットから昔の写真見ると、これにに符合する。アカショウビンに案内されての発見である。 今日は二つの課題を解決。大収穫があった。足も心も軽く昇竜の滝へ、、、、、、。
 久しぶりにマウスを握る。もうすぐ川あきである。今年はどうであろう?,,,