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真綿の檻/尾崎衣良(著)

2022-07-31 | コミック

弟の妻、紗英から見た義姉の榛花と、義兄一広の姿。
榛花の弟、聖司から見た姉と義兄の姿。
榛花から見た夫の一広と宮崎家。
榛花の母親から見た娘の榛花と宮崎家
榛花の夫、清武一広から見た妻の榛花とその家族

それぞれが見る榛花の姿と家族の姿は全く異なりますが、家族とは何かを考えさせられました。

榛花の両親や弟夫婦から見た一広の姿は、決して良いものではないのですが、実はコッテコテの妻大好き人間。
宮崎家の榛花に対する態度に不快感を抱き、それが態度に出てしまっているため、宮崎家も一広の印象が決して良くありません。

実は、主人のお姉さんが、榛花の母親と境遇が似ているので、読んでいる時からずっと、義姉の顔が頭から離れませんでした。

義姉は夫の仕事柄、働くことが出来ない事情があったのですが、知らない人から見ると、お気楽な専業主婦にしか見えず、
周囲から嫌味を言われることがありました。

お祭りごとの行事が入れば手伝いに行かなければならない。
夫から連絡が来ればいつでも外出できるように準備をしなければならない。
お姑さんや義妹に色々言われ、義姉の夫は夫でモラハラが酷い。
優しい言葉をかけることがなく、みんなの見てるところで義姉を怒鳴り散らすのは日常茶飯事で、
義姉はそのストレスを上の子供にむけていたのです。

下の子供たちは可愛がっていたのに、上の子はよく怒鳴られたり、頭を叩かれたりして、主人が助け舟を出したことも1度や2度ではありませんでした。
義姉の上の子は「榛花」そのものです。

この物語の主人公「
榛花」は、一広と結婚したことで、自分の居場所を作ることができましたが、姪は未だに良縁に恵まれず、下の姉妹たちに先を越されました。

義姉の夫が一広みたいな男性だったら、義姉の生活も少しは違ったのではないかと思います。



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