廬 並序 元政
廬懐友也 吾友久不来
吾亦 病而不能往 思而作是詩也
竢君於廬乎而
黙黙少娯乎而
此日又欲■乎而 ■:日+甫
竢君於門乎而
黙黙無言乎而
此日又欲昏乎而
竢君於路乎而
黙黙獨歩乎而
此日又欲暮乎而
「序」は、
「庵で友を思つた。友はしばらく来れぬまま。
わたしは病で行けぬまま。そんな思ひの詩がこちら」といった意味。
詩の方はこんなふうな意味。
部屋
部屋に居てきみを待ったよ
黙ったままでつまらなかった
この日も外が暗くなったよ
門に出てきみを待ったよ
黙ったままで言葉が失せた
この日も夜が近くなったよ
路に来てきみを待ったよ
黙ったままで歩きつづけた
この日も暮れが深くなったよ
†
元政は江戸前期の学僧。いい人そう。
表記は新仮名にして翻案してみた。
つられて浮かぶ一首が、こちら。
古畑の岨の立つ木にゐる鳩の友呼ぶ声のすごき夕暮れ
西行