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「ひとり終活について、もっと老人に優しいガイドをして欲しい」
などと言ったら、内心甘えるなと怒る現役は多いのではないか?
特に福祉関係の機関で、高齢者の現実の厳しさを知ってる職員はそうだろう。
毎日うんざりする程の相談者が来て、勝手な事を言い、気が休まる暇がないからだ。
市のガイドを読めば、相談する所の目安はつく。
地域の自治会はあるし、民生委員は活動してる。
安全サービスはあるし、見守りサービスもあって、本人が依頼すれば、いざと言う時心強い。
又動けなくなったら、知り合いに伝えて病院に行けば良い。
しかし、こんな至れり尽くせりだったとしたら、何故孤独死がジリジリ増えていくのか?
二つの問題がある。
個々の特殊なプライバシーの問題と経済的な問題である。
有り体に言えば、お金が無いから病院に行かない人がいるのだ。
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2014年の総務省家計調査では無職の一人暮らしの高齢者の平均収入は11万円だと言う。
そして平均支出は15万円である。
と言う事は、貯金を崩して生活をしてる事になる。
身寄りの無い高齢者となると、不安は尽きない。
そうなると、医療費といえども馬鹿にならない。
自治会に入って家計の内情も知られたく無いし、教えたくない病気を持つ人も居るだろう。
「貯金が全く無くなったら、生活保護申請して下さい」とか、身体が不自由なら介護申請するのが便利」と通り一遍のガイドをされると迷うだろう。
貯金がある内に自分の葬式費用を予め出しておけないだろうか?
介護費用はバカにならない、頼れるボランティアはいないだろうか?
と奥の手を教えてもらいたくなる。
ただ、現在はこういう虫のいい願いは殆ど叶えられない。
庶民階級の高齢者の家計の収支が今のままだと、絶対数の多さが有って、将来国の憂いになる恐れがある。
個々の備えは当然必要であろうが、もう少し便利な福祉相談の在り方が望ましい。
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ワガママな事ばかり述べましたが、出来ればガイドを参考にしたいところです。
小谷みどりの『ひとり終活』は比較的よくまとまった一冊だと思います。
要は自立できなくなった場合、誰かに最期の始末を託す必要があるという事です。
信頼出来る託す相手の選択肢が増え、悲壮感を持たずに頼めたら理想的ですが。
^_^
本日、日本の人口減が今年最大幅に達したニュースが報道されました。
しかも子供や現役世代が減り、高齢者は増えています。
最近私を襲っていた漠然とした不安の実体が何か分かった気が致します。
若者が高齢者を余計者と感じ、大人が子供を普通に可愛いと感じなくなる社会の雰囲気を感じて、ゾッとします。
そしてこれは決して金だけで解決出来る問題ではないと思います。
本当を言えばひとり終活を考えなければならない時代に違和感が強いのです。そういう私は常識外れなのでしょうか?(12/21)