特別な50年 その1
写真の石は昭和41年、南極から日本に持ち帰った石である。 目立ちたがらない子供のように、...
特別な50年 その2
その後の日本人は、悪夢の様な自然の脅威と不景気と戦争の脅威を味わう事になる。 これは...
私だけが知っている
漸く全ての家庭にテレビが行き渡った頃、「私だけが知っている」と言う番組があった。 夜の...
殺したい人 その1
新入社員の木之本英美を一目見た時から、酒井久人の毎日が変わった。 もぎたての林檎の様な...
殺したい人 その2
久人が英美の金銭感覚の欠如に気付いたのは、新婚間もない頃だった。 遅く帰宅した久人を...
殺したい人 その3
妊娠してからの英美は、いかにも上品な奥様の雰囲気を漂わせていた。 英美の実家は家柄だっ...
殺したい人 その4
絵梨は身重の体で、友人と繁華街にショッピングに出かけ、道の窪みに躓いて転倒した。 そし...
殺したい人 その5
その後も、英美は世間知らずな美人妻と言う看板を捨てなかった。 浪費癖のある反面、頗る気...
殺したい人 その6
この久人の暗い思いはバブルの崩壊と反比例して膨らんだ。 土地神話は崩れ、折角手に入れた...
殺したい人 その7
古女房と言っても、英美は年の割に若々しい。 能天気の為か、それとも甘やかし過ぎた為か、...