読書の森

伊坂幸太郎 『太陽のシール』前編



34歳の冨士夫と二つ年上の美咲は夫婦である。
結婚して10年になる。
素晴らしく優柔不断な夫と明るく決断力抜群の妻。

冨士夫は浜松町から池袋に行くのに、山手線の目的地に行くのに内回りがいいか、外回りがいいか、券売機の前でウロウロしていた。

それほどもどかしい男をお節介な美咲が見かけて、黙っちゃいない。
強引に内回りと決めて連れて行った。

それが出会いで、二人は親しくなり、
美咲のペースで結婚した。
結構上手くいってる夫婦である。



伊坂幸太郎の作品は、ちょっとついていけない棘を感じる事が多い。
特に若い人に人気の作家だし、テンポの小気味良さも洒落た感じも認めるが、切り捨てが早過ぎという感じがあった。
世代間の差をあからさまに感じるのだ。

しかし、この作品の初めのほのぼのムードはとても心地よかった。
「冨士夫君良かったね」と言いたいところだ。

ところがどっこい、これで伊坂作品が終わる訳がない。
今から5年前の8月15日、「惑星が墜ちてきて、地球と衝突する。
おそらく、地球は壊滅する」というニュースが流れたのだ。
パニックが起きた。

そんな事態の起きる前に死のうという自殺が絶えなかった。
住民はありもしない安全な場所を求めて、我がちに避難した。

読んでいただき心から感謝いたします。

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