![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/bb/11681178fd2035876198ed4d865f7f04.jpg)
住民が危険な米軍基地に接近? 普天間の歴史
05.13 05:00沖縄タイムス
◆イチから分かるニュース深掘り 普天間飛行場問題(中)
米海兵隊トップのネラー司令官が2日の米国防総省での記者会見で「普天間飛行場の建設時(1945年)の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった。現在はフェンスまで都市地域が迫っている」と発言した。「危険になったから名護市辺野古の新基地建設を進める」という意図を持つとみられるが、明らかな誤解、デマだ。沖縄の施政権を米国が日本へ返還してから46年目の5月15日を前に、普天間飛行場問題を振り返る。(政経部・福元大輔)
◆本土から常駐ヘリが増え、危険に
-米海兵隊のネラー司令官は、普天間飛行場ができた後に周辺に人が住んだみたいなことを言ったよね。
「普天間飛行場は宜野湾市のど真ん中に、ドーナツの穴のように位置する。市の面積に占める割合は25%、キャンプ瑞慶覧という別の基地も8%あるので、残りの約67%に9万5千人が暮らしている。沖縄戦でふるさとを追われた人たちやその子や家族が、仕方なく基地周辺に住んでいるという実情があるよ」
-住民が『危険に接近した』という意見がある。
「国に対し、住民が米軍機の飛行を止めさせるよう訴えた裁判で、国は『住民は危険を知りながら自由な考えで、そこに住んでいるから国に騒音被害の責任はない』と主張したんだ」
-裁判所はなんて。
「裁判所は『歴史的事情からすれば、地元に帰りたいという気持ちを理解できる』『地縁などの理由でやむを得ず周辺に住んでおり、非難されるべき事情は認められない』と判断し、国の主張を退けたんだ」
-普天間飛行場の隣には小学校があるでしょ。
「普天間第二小学校だね。昨年12月に普天間所属の大型ヘリコプターが運動場に重さ7・7キロの窓を落とす事故があった。体育の授業中の子どもたちもいて、あわや大惨事だった」
-米軍は学校上空を『最大限可能な限り飛行しない』と約束したよね。
「事故後も沖縄防衛局が飛行を確認している。学校が運動場の使用再開後の2月13日から3月23日までに児童が登校した28日間で、飛行機やヘリが学校近くを飛んだため、児童の避難回数は計216回に上った」
-でも、学校は飛行場の後にできたんだよね。
「そう。児童が増えた普天間小の過密化を解消するため1969年に第二小が設置され、70年から現在地に校舎が建ち始めた。他に適当な土地が見つからなかったという事情があるよ」
-その頃から危険なの。
「普天間には常駐機が少なく、『滑走路にペンペン草が生える』といわれる休眠状態だった」
-危険になったのはなぜ。
「常駐機が増えたんだ。関東地方の米軍基地を大幅に縮小する『関東計画』の影響が大きい。79年に本土などからヘリが移ってきた。本土の負担が減る一方で、第二小の教育環境や、周辺の住環境も悪化したという見方もできるよ」
-宜野湾市は学校を移転しなかったのかな。
「80年に飛行場内で攻撃機が墜落し、移転しようという声が高まった。市は移転先として市内の別の米軍基地の一部返還を求めたけど二つの壁があった」
「一つは、米軍の付けた条件。第二小の敷地を普天間飛行場に組み込むよう求めてきた。県内では基地縮小の動きが強まっていたので、市は基地の広がる条件を飲めなかった。もう一つは、米軍が認めたとしても土地を買うのに当時で25億円が必要で、国から補助できないと言われていた」
-移転できなかったの。
「老朽化した校舎の建て替えが必要になり、92年9月、PTAの臨時総会で移転断念を決めたんだ」
-危険はそのままだね。
「米軍基地には日米のいずれの法律も適用されないため、米国なら土地の利用が禁止されている普天間飛行場の滑走路延長線上の地域に、保育所や学校などの公共施設18カ所、住宅約800戸があり、3600人が住んでいる」
「2003年に普天間を上空から視察したラムズフェルド国防長官は『世界一危険な米軍施設』と感想を漏らした。04年8月には隣接する沖縄国際大学に大型ヘリが墜落した。『世界一危険』なら直ちに除去すべきなのに、日米で返還に合意してから22年、沖国大の事故から14年たっても、実現していない」
......................................................
本土から移転してきたヘリ等によって、普天間基地は過密状態になったんですね。
それを沖縄だけの問題とするのはあまりに無責任ではないか?
日本国民が沖縄に負担を負わせていることを常に考える必要があり、その問題解決のために沖縄県内での基地の移転がいかに非情なことであるかも理解しなければならない。
沖縄批判などもってのほか。