アラフィフおひとりさまの現実

何てことのない日常を綴っております。

あの夜のこと

2020-03-14 09:42:00 | 彼のこと
よく人から、"凄い想像力だね"と言われます。想像力というより妄想力かな…しかもいつも最低最悪の状況を想定しています(それでも夫の死や子供の所業は私の想像の斜め上を行っていました)。



彼は眠る前に布団の中から、最後の定期便として電話をくれます。あの夜も同じでした。

でも、いつもと違ったのは元妻が家に来ていたこと。彼が作成した書類を取りに来た娘や孫と一緒に元妻もついてきて、息子にも会っていこうとリビングで仕事の帰りを待っていたらしいです。

彼としては顔を合わせると喧嘩になるので、回避も含めて、いつもの時間に自室へ行き就寝。ところが、頻繁に会っている娘はいつからか父の変化に気付いてたのかもしれません。長電話が多いことや見たことのない衣類が増えたり、しょっちゅう行先不明の外泊をしていることetc. 

彼の離婚は、仕事のリタイア時期と同じ頃で、当時は女性に目を向ける余裕はなかったそうです。だから元妻も、言い争う毎日から解放され、且つ家族の形に大きな変化なく心地良く過ごせていたのではないでしょうか。

ところが夫の傍に家族以外の人物が存在している…。


これは私の妄想でしかありませんが、あの夜は「お父さん寝るって言ってるけど、よく部屋で誰かと電話してるよ。あれ多分女だね。今日も絶対話してると思う」みたいなことを娘に言われたんだと思います。

で、元妻は部屋に行ってみた→電気を消した彼の部屋から本当にボソボソ話している声が聞こえてくる→元妻ブチ切れ、怒鳴りまくって部屋に突入→彼も驚いて電話切るの忘れてしまった→今のイヤホンマイクは性能が良いから元妻の話を全部拾う惨事→会話を全てアキに聞かれてしまった…

あくまでも彼の話と元妻の怒鳴っている内容から働かした妄想です。

しかし、ただ怒りに任せて発したのか、それとも電話相手にわざと聞かせるように言ったのか分かりませんが、次から次へと溢れる言葉に、彼への未練というか強い愛情を感じずにはいられませんでした。

そして往々にして、こういう気性の方は、周りを巻き込んで事を大きくしたり、何かあった時黙っていないタイプが多いから、近づいてはいけない…と黄色信号が灯った瞬間でもありました。



こんな場面ですら、彼は決して元妻を悪く言うことなく、ただただ詫びるだけでした。

「もちろん彼女が好きで結婚したんだけど、多分相性が合わなかったんだよ。性格も考え方も身体も何もかも…これはもうどうしようもないんだ…だから離婚したんだし」


元妻の本音はどうだろう、きちんと確認したことある?と聞きたかったけど、その言葉は飲み込みました。夫婦のことは夫婦にしか分からないし、二人の関係は二人のもの、私が意見する立場にありませんから。



それでも、彼が元妻のことを含めた家のことや過去のことを話したのが初めてだったので、ほんの少し彼の心に近づけた気がしました。あ、今はね。何とかそう思えます。

でも、こっちも生々しい元妻の気持ちを聞かされて凄く動揺したし、やっぱしんどいです…元妻の心の内まで共有したくはなかったかな。


これがあの夜の一部始終。
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