久しぶりの、創作童話です。
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子供が10人と先生が1人いました。
先生が言いました。
「この中で、1人だけ代表を決めるために今から椅子取りゲームをしますね」
みんなは代表になりたいので椅子取りゲームをして代表をきめることに賛成です。
それぞれの10脚のうち7脚の椅子を円にして用意しました。
音楽を先生がとめます。3人の子たちが座れませんでした。
3人はそれぞれ最初から外された椅子をもって別の部屋に行きました。
また音楽がかかり、先生が止めます。
椅子を6、5、4、3脚とどんどん少なくしてのこり3人に絞られました。
競争です。負けた人はそれぞれ外された椅子を持って他の部屋に行きました。
残り3人は2脚の椅子を睨みます。1人負け、そうして、いよいよ最後の1脚となりました。代表が決まります。
10人から勝ち抜いた最後の1人はとても喜びました。代表は統率する権利を得ます。そのために、先生からみっちりと特別な教育をされることは決まっています。
決勝の戦いで負けた子は泣きながら外された椅子を持って悔しさを隠せない様子で別の部屋に行きました。
別の部屋にいったのは9人です。9人は2つの部屋のどちらかを選んではいります。
ひとつは敗者復活戦のチャンスがある部屋。もうひとつは、敗者の部屋。
では、敗者復活の部屋を開けてみます。
そこには6人がいました。決勝で負けて悔しくて泣いていた子もいます。敗者復活部屋ではそれぞれが持ってきた椅子が鳥にかわり飛んでいます。その鳥を沢山捕まえた1人が敗者復活のチャンスを得ます。
椅子鳥ゲームの復活です。
みんな血眼になりながら、ジャンプしたり追っかけまわしたりして逃げる鳥を追いかけています。鳥は傷つけられて血を流したり、羽をもぎとられたりしています。子供達は汗だくで目は血走っています。友達がライバルになり、突き飛ばしたり喧嘩が始まりました。
次に優勝した代表の子の部屋を見てみると、勝ち誇った顔をしていた代表の子の顔は少し元気がありません。
厳しい先生につきっきりの指導をうけています。あなたは代表でしょ、しっかりしなさい、といわれています。
ひとつだけ残った椅子をめぐり勝って代表になりましたが、先生と自分だけの個室で、プレッシャーに押し潰されそうです。
そして、孤独になりました。籠の中の鳥になった気分です。悲しくて泣きたい気分になっています。
最後に敗者の部屋を選んだ子たちをみてみましょう。
敗者の部屋にいたのは3人。
早々負けた子と、ハラハラする競争が嫌だなぁと感じた2人がいました。
その3人の持ってきた椅子も鳥になって飛んでいました。3人は地べたに坐り談笑し、鳥を可愛いなぁと眺めたり、肩を止まり木のように鳥に貸して、可愛がって楽しそうに遊んでいました。
鳥に変わった椅子は、まるで籠の外にでた鳥のように嬉しそうに飛び、美しい音色でさえずっています。
椅子取りゲームの虚しさに早々気づいた子たちの部屋は、3つの部屋の中で一番笑い声が飛びかっているようでした。
おしまい
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椅子取りゲームは競争社会みたいだと感じたことがあります。努力は大切ですが、運もあります。努力した上で得たどんな切符も、実は幸せの切符🎫で最善への道、良くなるための通り道だと肯定して、出された切符を大切にしていきたいですね。
ブログが不定期になりますが、また宜しくお願いします😉