便秘を本当に治したいと決意したが、解決策がわからないまま5年が過ぎた。首まで吹き出物ができ、極度の冷え性と肩こり、睡眠障害、食欲不振などで、体調は最悪になっていた。「性格も暗くなったのが、自分でもわかりました」
45歳目前の2011年春、テレビ番組の便秘解消企画が舞い込んだ。「わずかでも治る可能性があるのなら、その可能性にすがりつきたいと思いました」
大学病院の便秘外来でレントゲン撮影をすると、腸に約4キロもの詰まり物があることがわかった。「苦労して産んだ息子より重たいのが、肛門から胃の手前まで。手術が必要な危険レベルに近かったそうです」
末期の便秘症と診断された。便を肛門へ送り出すポンプのような働きをする、腸の収縮運動(ぜん動)が弱っていた。さらに、ストレスで、腸の健康に影響する自律神経のバランスが悪かったのが原因だった。
処方されたのは、消化剤と整腸剤に、ガスを出す薬の三つだけ。主治医からの指示も、起き抜けに水を一気飲みする、決まった時間にトイレに行く、便器に座って体をひねる――など、簡単なことばかりだった。
「強力な下剤でも使うのだろうと想像していたので、拍子抜けしました。先生は『頑張らなくていいですよ。忘れても気にしないで』と言ってくれたので」
便秘外来に通って間もなく、“奇跡”が起きた。数日たつと、小石みたいなのが2、3個。また数日後、少し塊が出て、次の数日後には山盛りが。2週間が過ぎた頃には、4キロの宿便が消えていた。
「残便感のない爽快さを初めて味わい、柔らかくなったおなかをなでると、涙が出てきました」
直ちに“美腸”作りを開始した。「腸内細菌の大好物の乳酸菌と食物繊維を、意識的にとるようにしました」。ヨーグルトのほか、納豆、キムチを冷蔵庫に常備。腸を刺激する運動も始めた。「出ても、出なくても、毎朝5分、便器に腰掛け、ロダンの『考える人』のポーズなどをとっています」。散歩気分で30分のウォーキングも続けている。
顔中にあったブツブツが、いつの間にか消えていた。冷え性や、食欲不振なども改善された。周囲から、「よく笑い、性格も前より明るくなった」と言われた。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151015-OYTEW55254/?from=yh
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