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胆管腫瘍

2015-07-13 16:34:32 | がん
任天堂の岩田聡社長が13日、「胆管腫瘍」で亡くなったとの発表がありました。岩田社長は2014年にも胆管の腫瘍の手術を受けていましたが、静養を経て決算発表などの公の場に復帰していました。まだ55歳という若さの同氏を死に追いやった胆管腫瘍とはどのような病気なのでしょうか?
◆悪性の胆管腫瘍は致死的

胆管腫瘍(胆管がん)とは、胆管に生じる悪性腫瘍のことです。胆管は肝臓と十二指腸をつなぎ、肝臓で生成された胆汁を運ぶ役割を持つ管です。胆管がんは日本で増加傾向にあり、発症したら致命的と言われています。

手術の難易度が高く、術後の再発率も低くありません。さらに、抗がん剤や放射線治療でも効果がでにくいタイプのがんのため、難治性のがんと言えます。厚生労働省によれば、2013年の胆のうがん・胆管がんによる死亡数は約1万8200人で、がん死亡全体の5%近くを占めます。

◆腫瘍の位置によって症状が出にくいことも

胆管は、肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道です。胆のうは、肝臓で生成した胆汁を一時的に溜めておく袋(嚢)で、食べたものを消化する際に分泌されます。胆管は、肝臓内ではたくさん細い管に枝分かれしており、それが肝臓から出る部分で合流して太くなり、1本の総胆管となります。

胆管は、太いところでも直径7mm程度と細いため、生じた腫瘍(がん)が小さくても胆汁をせき止めます。胆管の根元が詰まると胆汁が十二指腸に流れなくなってしまい、黄疸(おうだん)の症状が出ます。これに対し、肝臓内の細い胆管にがんが生じた場合は黄疸は出にくく、発見が遅れる場合があります。

◆岩田氏の世代に多く発症

胆管がんの発症年齢は、40代後半~50代ごろから徐々に増え、60歳代で最も多く初症します。胆管がんは、胆管の上皮(胆管内側の表面を覆う粘膜)から発生する悪性腫瘍で、発生部位により「肝外胆管がん」と「肝内胆管がん」に分けられます。前者が狭い意味での「胆管がん」です。

さらに、肝外胆管がんは、腫瘍ができた位置が胆のう管より上か下かによって、「肝門部領域胆管がん」と「遠位胆管がん」に分けられます。また、肝内胆管がんは、肝がんの一種として扱われます。岩田氏がどのタイプの胆管がんだったかは明らかにされていません。

◆考えられる原因

胆管に原因不明の慢性炎症を起こす、「原発性硬化性胆管炎」という病気があります。これは約10%の確率で胆管がんと合併します。最近は、肝炎ウイルスも胆管がんの原因のひとつとして考えられるようになってきました。

加えて、肥満の人、高カロリー摂取の人にも胆管がん発生の可能性が指摘されています。予防としては、果物や野菜を積極的に摂取することが発生を低下させると考えられます。

◆胆管がんの主な症状

胆管がんは、胆道に沿ったどの部位でも起こる可能性があり、特に肝臓の外の小腸に入る位置でよく発生します。脂肪肝、肝硬変、原発性硬化性胆管炎などを合併することがあります。

胆管がんは、浸潤性発育といって、インクが紙に染み込むように周辺の組織へ拡がるケースが多く見られます。また、胆管の内側がきのこのような形に盛り上がることもあります。

総胆管にがんができると、胆汁が流れにくくなり、胆汁が胆管から逆流して血管の中に入るようになります。すると胆汁の主成分であるビリルビンが血液中に含まれるようになり、閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)の症状が見られます。

黄疸になると皮膚や白目が黄色になり、尿が茶色っぽく、便は白くなり、全身にかゆみが生じます。黄疸が軽いと気がつきにくいのですが、便が白っぽいことで気がつくこともあります。

肝内胆管にがんができた場合は、黄疸の症状は出ず、初期は自覚症状がほとんどありません。がんが大きくなってから、食欲不振、体重減少、発熱、右上腹部の鈍痛などが現れます。

◆検査と診断

胆管が詰まると肝機能に異常が出ますが、腫瘍マーカーでは数値が上がらないこともあるため、早期診断はあまり役立ちません。胆管の閉塞に他の原因が見当たらない場合、特に原発性硬化性胆管炎を患っている人は、胆管がんが疑われます。

胆管の腫瘍は、腹部超音波診断という画像検査で発見できます。また、がん自体は画像に映らなくても、拡張した胆管によって病気が見つかることもあります。胆管がんが疑われた場合は、CTやMRIによって病気の広がりを確認します。

◆胆管がんの治療

現代の医療をもってしても、ほとんどの胆管がんは致死的です。手術をする場合もありますが、腫瘍を完全に除去できないケースが多いのです。手術する際は、肝臓や膵臓の一部、場合によっては胃や十二指腸まで切除することもあるため、患者が手術に耐えられないような場合は、化学療法や放射線治療を行います。

◆異変に気づいたら

黄疸や原因不明の高熱などの症状が出た場合は、速やかに内科や外科を受診して、検査を受けてください。黄疸の症状が出ている場合、手術はもとより抗がん剤治療も行えません。そのため、まずは黄疸を解除するためにチューブを体内に埋め込む措置がとられます。胆管がんでなくとも、黄疸を放置すると肝臓や腎臓に重大な障害をもたらします。また、胆管へのウイルス感染は死につながることもあるので、決して自己判断せず、医師の診察を受けましょう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00010004-mocosuku-hlth&p=1



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