アメコミとラーメン

Green Goblin長編、SPIDER-MAN


3年前くらいの小野耕世さんの講演会で紹介されたSpectacular SPIDER-MAN Magazine(Spec M)の1号、それから2号が読みたくて、長い間探していたが、良い状態の出物がみつからず、TPB(単行本)を買って読むことにした。1号は形を変え、Amazing SPIDER-MANの116~118号に再録されていることが判明。どうも読んだことがあると思った。今回は、2号についてレビュー。1968年11月の作品。

筋書きをStan Lee、画をJohn Romita Sr. (“JR”)がそれぞれ担当。添付画像のTPBの表紙もJRの作品。

さらっと粗筋を紹介する。唯一SPIDER-MANの正体がPeter Parkerであることを知っている敵はGreen GoblinことNorman Osborn。SPIDER-MANとの戦いで記憶を失っていたNormanだが、次第に記憶が戻ってきて、SPIDER-MANの正体を暴くと共に、打ちのめそうと計画。そうはさせじと知恵と力でSPIDER-MANはGoblinと戦う。

毎度おなじみ気に入ったシーン、台詞等の紹介。まずは、JRの画。添付画像は50年ぐらい前の作品とは思えない素晴らしい出来。(色は後から入れ直したはず。)TPBのおまけに彼の鉛筆画もあるが、凄いな。光文社版SPIDER-MANを読んだことのある人にとっては、垂涎の作品だ。JRの描いたSPIDER-MANがおいらにとってのSPIDER-MANだからな。やはり彼の描く女性Gwendolyne Stacy (“Gwen”)やMary Janeは非常に魅力的だ。また、上から下を覗き込むようなアングルの描写は非常に立体的。上述の耕世さんが池上遼一さんにSpecM 1号を見せたら、それを参考にして描くようにアシスタントに指示していたとか講演で言ってたな。

1973年までは、Peterの彼女はGwen。Spec Mが出版された1968年には彼女の父親Captain Stacyも存命。この当時のGwenは泣いてばっかの女性ではなく、Peterのことを気遣う素晴らしい女性だった。それが伺える台詞。”Not having a father of his own, Peter is probably empathizing with Harry.” GoblinがいつPeterの正体を明かすんじゃないかと冷や冷やなPeterを慮るGwenは本当に良い娘だった。彼女の父親の死後歯車が狂っちゃったんだね。

SPIDER-MANとGoblinの戦いは18頁にも及ぶ一大絵巻。Goblinはその科学知識を使って奇妙な武器をいつも沢山用意している。今回のハイライトはPsychedelic Gas(麻薬で幻覚を見ているような状態をつくるガス)。前半部分でSPIDER-MANはこれにやられて幻覚に悩まされるのだが、Goblinの致命傷もこのガスによって。結局このガスによって記憶を再び失うオチは面白いな。最後にEnd?と疑問符がつくのも、お約束か。

SpecM 1号が白黒だったのに対し、TPBに収録されている2号はカラーだった。実際に出版された2号もカラーだったかはわからないが、カラーで良かった。良質の紙を使っているので、さらに色が引き立つ。(当時はわら半紙みたいな紙の上に印刷されていたので、本物とTPBでは、見た印象は全然違うと思うけど。)

それから、光文社版ではわからなかった色使いに改めて時代を感じるのも新鮮だ。まさにこの時代のファッションはPsychedelic(サイケ)なんだよね。

前半部分の回想シーンが冗長だったのが玉に瑕かな。

発行年月、再録情報関しては、Marvel.comおよびMarvel.Wilikia.comを参照した。
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