アメコミとラーメン

Vess, Adams & Mignola眼福な一冊、1986年のWeb of SPIDER-MAN Ann 2号




前回のWeb of SPIDER-MAN Annual 3号に続いて、大好きな画家Charles Vessが表紙を描くSPIDER-MAN シリーズ。Web of S-M 2号を読み終えたのでレビュー。またまた、凄く素敵な表紙。しかし、今回はちょっとケチをつけたい。SPIDER SignalはSPIDER-MANのベルトから投影されるから、SPIDER-MANの背景にそれがあるのは変だ。

筋書きをAnn Nocenti、一話目の画をArthur Adams、二話目をMike Mignola、インクをGeof Isherwoodがそれぞれ担当。この制作陣の豪華さ恐るべし。そして、Adamsの画はオイラが好きな時代のもので、ますます好み。Mignolaの画はインクと色のお陰かおどろおどろした感じが薄れ好印象。

次に粗筋。一話目は、NEW MUTANTSのWARLOCKがニューヨークに実際の生活を学びにニューヨークへ来た。そこで科学者の実験のモルモットとなり大暴走。SPIDER-MANが巻き込まれる。二話目。Peterが、夢の中で強迫観念に押し潰されてしまう。

そもそもWeb of S-Mは、SPIDER-MANとMarvelのヒーローとが共闘して悪に立ち向かうシリーズMarvel Team Upの後継作品。前のシリーズを意識した作品なんだろうな。だからWARLOCKと共闘させている。

今回のWARLOCK の冒険のきっかけは、テレビ漬けの彼に対してIllyanaが放った言葉。”You are getting this ridiculous warped moronic view of the world. You’ve got to get out and learn from real life.” 物語最後のサゲ(オチ)も気が利いていて、テレビニュースでSPIDER-MANが酷評されているのを聞いた彼が、Illyanaの言ったことは本当で、テレビは観ないと宣言するシーン。

テレビからの情報を鵜呑みにして、テレビ漫画マッハGo Go Goの車が実在の車と信じ変身したり、テレビショーの名司会者に変身するのは楽しい。

動物実験する側に立ち若者に説教したSPIDER-MANが、暴走するWARLOCKを使い小銭を稼ぐ自分に辟易としたり、暴走のきっかけとなる実験を行った科学者もWARLOCKの無私の思い遣りを見て反省するあたりは作者Nocentiのメッセージなのだろう。

二話目はただただMignolaが上手いんだなと感じさせるだけ。Hobgoblinなんか凄い迫力。話は大したことはない。

Kingpinが夢の中で語るPeterと彼は同じ穴の狢である理由。”Your world like mine, is built on an empire of lies.” 詩的。

この話で二つ好きなのは、夢から覚めても怒られるコマ、それから、悪夢を見ても忘れてしまって口笛を吹いちゃうSPIDER-MANのコマかな。珍しくPeterが楽観的。
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