手に入れられるJohn Byrneの作品を物色中。その一環で手に入れたX-MEN Hidden Years (“XHY”) 20号から22号(最終巻)をレビュー。
筋書きと画をByrne、インクをTom Palmerが担当。
XHY 19号までに、ミュータントの弾圧から逃れるため、寝て待とうという魂胆のTobias Messengerなるやつに眠らされたHAVOKとLorna。かろうじて魔の手から逃れたANGELがなんとか、捕らわれの身となった彼らを助けようとする。一方、地底の王Mole Manに苦戦するCYCLOPS、BEAST、ICEMAN、MAVEL GIRL。もう一つ磁界の帝王Magnetoは海底都市Atlantisの王Namorを手懐けニューヨークを襲うという複数の話が同時進行する展開。
いつものように、好きな台詞やシーンを順不同で紹介。なんといってもXHYの最後の3話は徹底的にFANTASTIC FOUR ("FF”)へのHomage。添付画像のHXY 20号の表紙は、Jack Kirbyの描いた FF 1号の焼き直し。画像左中央下のByrneのサインにもちゃんとそう書いてある。そしてもう一つ。Magnetoの悪巧みの話は、FF 102号~104号の話を再度紹介しているものだ。(光文社版FFの第4巻に収録されている話。)文中には上記の話の途中から画を担当しているJohn Romita Sr.とStan Leeへの謝意が書かれている。XHY 22号でMole Manの魔の手から逃れたX-MEN達が到着したのはFF 1号の舞台Monster IslandというのもHomageの一つだろう。
台詞では、Star WarsのObi-Wan Kenobiを引き合いに出した台詞が好きだな。それから、全体的にMole Manの台詞が舞台俳優みたいに説明的でかつ大袈裟で、Stan Leeが昔FFやその他のアメコミで使っていたもののようだ。それから、CYCLOPSが駄洒落を使って、ICEMANから似合わないよと茶化される会話も良いな。
Byrneの画を今更褒めてもしょうがないのだが、やはり大好き以外の言葉が浮かばない。同時期に活躍したGeorge Perezも戦隊ものが得意だが、Byrneの複数のキャラクターを一つのコマに入れ、遠近感を使って描く手法がかっちょ良いの一言。
添付画像の左上のMAVEL GIRLのコスチュームが良いな。1980年代に一時期Kitty Prideが来ていたものと似ているし、結局こういうのがおいらの好きなX-MENのコスチュームなのかもしれない。
表題の通りで、Byrneは結構このシリーズにノリノリだったのだろう。打ち切りは寝耳に水だったのかな。もうこの時点でByrneは連載打ち切りを知らされたはずで、話をまとめようと必死だったと思う。しかし、3つの話を同時進行させるのは結構無茶だな。それでいて綺麗に終っているのは凄い。
その最後とは、BEASTが20歳の誕生日を迎え、もうThe Strangest Teens of Allとは言えなくなると嘆いている。MAVEL GIRLのBEASTへの慰め、“After all we’re not exactly all X-MEN either.”はこの誕生日会に出席しているのがX-MENのフルメンバーじゃない(つまり、これからどんどん新たなメンバーが参加する)ということを示唆しているのかな。
最新の画像もっと見る
最近の「アメコミ タイムマシーン」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事