今回は、1995年のミニシリーズSPIDER-MAN The Final Adventure (”SFA”)1~4号をレビュー。
筋書きをFabian Nicieza、画をDarick Robertsonが担当。FabianはX-MEN、X-FACTORでお馴染み。懐かしいな。Darickの方は正直覚えていない。Ron Limとか、Mark Bagleyの影響が色濃い。品質にバラつきがあるな。特に人物の表情が良いパネルもあるのだが、同数だけ感心しないパネルもあるといった感じ。当時のアメコミとしては、上質紙を使っていて、一冊$2.95もする。決して悪くはないのだが、もう少し良い画家はいなかったのかと言いたくなるな。
一方の話の方は結構面白いな。Peter Parkerがニューヨークを離れ西海岸のメ[トランドでSPIDER-MAN の力の源を研究する話、SPIDER-MANの正体を暴こうとたくらむ新聞記者Ken Ellisの話、そして、Peterとその妻のMary Jane Watson (“MJ”)との結婚生活の危機が主な内容。
いつものように、好きなシーンについて書いていこう。6月にレビューしたSuperior SPIDER-MAN 9号にてPeterの記憶がどんどんと消されていくシーンがあった。その中でPeterが自分自身の名字をPerkinsと名乗るシーンがあるのだが、そのPerkinsはこのSFAで使われている。(このSFAを読もうとしたのは、お気に入りのャbドキャストSPIDER-MAN Crawlspaceで紹介されたからで、その時に、このPerkinsのことも言及されている。だからこのトリヴィアはおいらの発見ではない。)
悪人Tendril(植物の「つる」)は今一迫力に欠けるかな。 SPIDER-MANと同じ研究者の機械を使って生まれたこの悪人は、Peterにとっては異母兄弟のような存在。1990年代の悪人ぽいのだが、悪人の悪行に理由やドラマがあまりない。だから、感情移入ができない感はある。
夫婦の危機は、PeterがMJの手紙をちゃんと読まないことからさらに悪化する。この手法古くからあるのだが、面白いな。ただ、MJは、これまでPeterのSPIDER-MANとしての行動を支えてきたのに、この話の中では、とにかくそれが許せなくなるってところは、もう一歩説得力に欠ける。(確かにMJのお腹の中にいる子供が片親になるってリスクはあるけどね。)
今回のこの話で一番重要なのは、SPIDER-MANの正体を探っているEllisを新聞社Dairy Bugleの編集長Robertsonが頑なに止めようとしているところ。やっぱRobertsonはPeterがSPIDER-MANだってこと知っていたな。(今の設定では判然としない。)
最終シーンでは、治療をする過程で暴れ出した悪人Tendrilを押さえこもうとして研究室に入ったPeterが研究室に入り、その力を失ってしまう。しかし、Peterは、その後超人としての力を使わずとも、社会への責任を果たそうとする。この終り方はいかにも彼らしい。そう彼は、特殊な力を持っているからヒーローなのではなく、ヒーローとしての心を持っているから、特殊な力を持てば、スーパーヒーローとして活躍できるってこと。この最後の1ページがあるからこの作品は評価が高いんじゃないかな。
最新の画像もっと見る
最近の「アメコミ タイムマシーン」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事