※2024年9月30日に綴って公開できずに下書きの状態で眠らせていた投稿。Ehoes of Life さいたま公演を全身で浴びて新たに照らされた心がこの思いを開放しようというので、ひっそりと公開しておこうと思う。
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最近、息子の手術の日のことを頻繁に思い出す。頭蓋骨を削ったり穴を開けたりする手術で。万が一の恐ろしいことをたくさん言われて震えながら誓約書にサインして。怖がる息子と一緒に手術室に入って麻酔がかかる瞬間まで一緒に居た。意識を失っていく息子の姿に、涙が止まらなかった。あの光景を思い出すたびに胸が軋む。
思い出す…そう、思い出すんだ。つまり無意識で記憶に蓋をしていたのだと思い至り愕然とする。あぁ、私がこんなふうでは手術を乗り越え頑張ってきた息子に顔向けできない。しっかりとあの日のあの心と向き合い抱きしめて歩まねばならない。後悔も涙もいらない。息子の未来には希望があればいい。
5歳の幼さでどんな手術かを知りながらも受けると決めたあの子は強い。あれから明るく元気に成長し、いつの間にか私の身長を追い越してしまった息子。それなのに、未だに記憶を凍らせたまま溶かせずにいた私は、結局、独り俯いて生きてきた子どもの頃のまま何も変わっていないのだなと思った。
起きてしまったことは変えられない。だから未来が幸せであるように全てを抱きしめて歩いていくしかない。そんな彼からのメッセージに、作品と共鳴する彼の美しいスケートに、ストンと全ての歯車が噛み合いゆっくり動き始めた気がした。
私のこんな感情なんてちっぽけなものに過ぎないこともわかっている。それでも確かに刻み始めた鼓動がここにあるという事実を言葉に変えて綴っておきたかった。ただ、それだけ。