うちの車ペッピーノさん、今日は雨の中、父の介護のために出動してもらいましたが…
謎の「雨量感知センサー付き全自動ワイパー」は相変わらずです。
「偶然か、電気系のトラブルの前兆だろ」で片づけることもできるのですが…
お盆に東北旅行をしたときに始まって…
1か月半以上経っても現象は変わらず起き続けているので、もはや偶然ではなく。
これだけ時間が経過しても、何も困った故障にはつながっていません。
やっぱり、道具が「妖怪化」して意思を持つようになってしまったのでしょうか…笑
だとしたら今日は、ペッピーノに痛い思いをさせてしまいました。
帰って来て、マンションの立体パーキングに入れようとしたら…
やってしまいました。
左のドアミラーを、この鉄柱にぶつけて壊してしまったのです。
同じマンションに住んでいるらしいけど、あまりよく知らないおっさんが…
着いたときちょうど車を出そうとしていたので、愛想よく挨拶したら…
仏頂面で、そっぽを向かれた。
「何で日本の都会人って挨拶しない人が多いんだろう。海外じゃどこでも通用しないぞ。ただの不審者だ!」
とか余計なことを考えたり…
その一方で、早く入庫を済ませないと迷惑かけると、焦ってしまったりで…
集中力を欠いていたら、こうなりました。
以前に、メメでもやっちゃったことあるんですよ実は。
その時は、まだお金があったから問題なく交換できたけれど…
今の私には、ドアミラーひとつの交換でも痛い出費。
普通の人ならすぐに直すんでしょうけど…
幸い鏡面は割れていなくて、根元がぐらついてはいるけれど、一応機能はしているから…
このままにするしかないかなあ。
妻に出してもらって直すのも、申し訳ないし。
ごめんねペッピーノ。
とにかく、こんなスカシタ風な車に乗ってはいますけど…
軽自動車の中古より安く買ったんですから。
イタリア車の「伝説」に反して、故障なんか全くしないおかげで、維持できているだけのことですから。
実は4月に失業した後、いまだ職が見つからないし。
それ以前、政財官、各界のインテリVIPで、既に一線を退いているお歴々の私的勉強会グループに対して…
相手にとっては手慰みの趣味とはいえ、ダンテの『神曲』の講義をしたり…
やはり特権階級のおうちのお嬢様に、リモートで「留学のための教養」をお授けしたり…
大手出版社の役員さんのコネクションのおかげで、本を出していたうちは…
まあそれなりに収入もありましたけど。
それが終わったら、何もない。
アカデミアの世界に身を置いていて、奇跡的に大学教員などのポストを得られた人は別として…
そうでない自分は、つぶしが効かない。
これまでの職歴、経歴、できることなどをすべて棚卸しした上で、人材紹介の会社に送って…
その結果「あなたへのおすすめ」と紹介された仕事は…
タクシードライバー、警備員、マンション管理人といった、過去のキャリアとはぜんぜん関係ない仕事ばかり。
親の介護もあるから、毎日長時間の勤務は難しい、というと…
マンションの清掃、介護士の補助員、病院のゴミ運搬係、街頭アンケート調査員、コールセンターなどは、と。
街頭アンケートとコールセンター以外は、エッセンシャルワークかそれに準ずる仕事ですけど…
介護福祉士や、保育士、看護師といった資格を持っている人たちでさえ…
社会的貢献度や、仕事の難しさ、ハードさには、全く見合わない報酬しか受けられていないのが現実。
ましてその「補助」的仕事となれば、賃金は、住んでいる地域の最低賃金を上回ることはないです。
要するに、私が専門としてきた「人文系」の知識や、教えること、書くことのスキル…
しかも中世イタリアの文学や、宗教・哲学なんて、それそのものは「利潤」を生まない種類のもので…
ビジネスの世界でバリバリやってる皆さんからしたら「クソの役にも立たない」教養なんですよね。
その上、これといった資格がない、体力もない、営業も事務も接客も経験ない、歳はもうアラ還ときたら…
まあ、使えない「ど底辺」の人材、というわけですよ。
しょうがない。
これまでの生き方が、根本的に間違っていたんでしょう。
「ウヨって」マスコミに出ている言論人のみなさんの、お仲間入りの誘いが何回かあったのに…
断って来ちゃったんですから。
妻が稼いでくれていて、生活保護に頼らなくていいだけ、幸運と思えってことです。
そうしてみると、生活保護を受けている方や、ホームレスの方たちの中にも…
実は、私のお仲間みたいな種類の教養を持っている人々、けっこういるのでしょうね。
で、生活保護叩きにあったり、野宿者狩りにあったり、悲しい思いをしているという。
私もまた、個人的にはもう、人生「詰んで」「終わっちゃってる」人間なんでしょう。
小倉唯さんなどは「誰でも『生きている』それだけでみんな等しく偉いんだ」といったことを…
何度も繰り返し言いますけれど。
「世間」はそうではないですからね。
弱肉強食とか、働かざる者食うべからず(実はこれ共産主義の造語ですよ)という言葉が好きで…
特に2000年代以降の日本人は「自己責任」という言葉を自ら発明して気に入り、いまだに信奉していますから。
(この言葉が最初に登場したのは2004年と言われてます)
「貧しい人は政府が援助して生活させるのが当然のことだ、と思いますか?」という命題に…
どう答えるかという国際的調査で…
「そう思う」と答えた人の割合が、調査対象の、世界百数十の国と地域の中で、一番少なかった。
しかも二番目の国を大きく引き離して、圧倒的な結果だったというのが、日本ですから。
よほど「自己責任論」が性に合ったというか、気に入ったんでしょうね。
秩序と規律を守った行動ができて、騒いだり暴れたりしない、行儀の良い国民。その代わりに……
世界一、弱者に冷たく薄情な国民。
倒れた者は平気で踏みつけ、屍を乗り越えて前進する気質の人々。
ほんとに「ミスターロボット」ですね。
「人情」という言葉は、どこへ行ってしまったんでしょう。
そんな現代日本人、私は嫌いです。正直言って大嫌い、かも。
まあ、しょうがない。
それでも息子は、21歳にしてかなり稼いでるみたいだし、社会的な評価も高い立場にいます。
その人間をこの世に生まれさせ、育てたのが、私の人生で唯一の、意味ある行為だったのかも。
もって瞑すべし、でしょうか。
そうはいっても、やっぱりマンション清掃あたりの仕事を、早く決めて…
ドアミラーぐらい直すようにしないといけないですね。