我が家の歴史とともに約30年歩んできた愛車「メメ」と、お別れしようとまた考えています。
正式名称は「アルファロメオ155セダン 2.0ツインスパーク 1993年型」です。
どこかが調子悪くなったわけではありません。いたって元気です。
内装に関して、何か所かに汚れがあること、プラスチック部分に細かいひびが数か所見受けられること…
そして天井の内張が垂れてきてしまっていること。
外装に、何か所か小さな擦り傷や、飛び石による傷があること。
これ以外は新車と同様のコンディションです。シフトレバーとオーディオ以外はオリジナルの状態です。
エンジンは、購入時よりむしろ今の方が、ビュンビュン気持ちよく回ってくれているぐらい絶好調。
ウォーターポンプ、ラジエーター、クラッチのディスクとカバーとレリーズ、ブレーキ周りなどなど…
交換が必要になる消耗部品は、この30年で一通り交換してあります。
(カムタイミングベルトについては、この8バルブエンジンはチェーン駆動なので交換不要なんです)
それじゃあ、なんで手放すのか。
純粋に、経済的な問題です。
今現在の収入で、旧車とはいえ車を2台持ちしていることについては、父からも批判されていますし。
なにより、日本では古い車に課せられる税金が異常に高いですからね。
まるで買い替えをしないこと、古いものを大事に使うことへの「罰金」なのかと思うぐらいに高い。
資本主義においては、消費しないこと、モノやお金を手元に持ち続けることは、悪ですからね。
モノはどんどん捨ててゴミにして、新しく作られたものを買うのが美徳。
お金は貯め込まず、投資したり、稼いだ分消費したりして「回す」のが美徳。
それが現代の「資本主義」ですから。
そこへ持って来て、私の仕事にも大きな曲がり角がやってきて。
これを機に心機一転し、過去の仕事の実績や、そこから来るプライドときっぱり決別する決意をしました。
人生が新たなステージに向かうのと同時に、この30年間を共にした相棒ともお別れしようかと。
実際は納車から29年と何か月かなので、あくまでも「30年目」ですが。
考えてみると、人生の半分を身近にいて過ごして来たんですね。
そんなの、メメとうちの妻、ぐらいですよ。
(メメの車歴と結婚歴はほぼ同じ)
そういうものとお別れする気持ち、お察しいただけるでしょうか……
売却先は、できればうちの車をみてくれている若きマエストロ、S君のところにしたい。
彼に譲って、彼が天井の垂れなどを直して、自分のお客さんに売れば…
手元からいなくなった後も、どんな人に買われて、今どうしているかわかるじゃないですか。
もしかしたら、整備や車検で入庫しているときに、運よくまた会えるかもしれない。
って……未練たらたらじゃん!笑
そういうセンチメンタルな考えなのですけれど、でも人生に区切りをつけるといっても…
たまには、昔自分が書いた本や雑誌記事、講演や講義の原稿なんかを取り出して…
懐かしい思い出に浸るのも、別に悪いことではないでしょう。それと同じかなと。
とりあえず、今見積もってもらっています。
別れる当日はメメで産院に向かった息子にもできれば立ち会ってもらって…
さよならの挨拶をしたいと思います。