ペッピーノを車検に出しました。
で、この車を見てくれている、若きマエストロ・S君のところへ行ったら…
なんと8月にお別れした、30年付き合った懐かしいわが愛車、メメと再会できました!
私の元にいたころと違うナンバーを付けられて、いまでも普通に走れる状態。
フロントの黒いモール部分も、ホイールも、磨き上げられてピカピカになっていました。
私と会って、メメがちょっと嬉しそうに見えたのは、やっぱり気のせいでしょうか。
S君は、テスト走行しながら点検整備して、すべて完璧な状態にして売り出すつもりのようです。
そこまで一台の車に、手間とお金と、何より時間をたっぷりかけて…
入念な納車前の点検整備や、テスト走行までする工場、そうはないんじゃないかな。
「イタリア車だから壊れました。しょうがないですね」というセリフを言いたくないのが彼の信条で…
ペッピーノを買ったときも…
「たぶん壊れないと思います。もし壊れたらメカニックとして僕の負けです。そのときは本当にごめんなさい」
と言っていましたから。
メメもそういう状態になるまで「予防整備」してから販売するつもりなのでしょうね。
そうまでして起きる可能性のあるトラブルを全部潰してしまうと、修理依頼で入庫するお客さんがいなくなって…
普通ならお客さんの財布から出るはずだった整備料金や、部品交換の代金を…
前もって工場が負担することになるわけですから、儲からないですよね。
(もちろん多少売価に乗せるとしても)
商売よりも整備士のプライドを優先していて、しかもこれから電気自動車の時代がやってくる見通しなのに…
やって行けるんだろうか、と心配になってしまうのですが。
でも、そこまで良心的にやっているおかげで、中古車サイトで彼の店の「カスタマーレビュー」を見てみると…
ものすごくいいんですよね。
だからeパワーの時代になっても、趣味的に内燃機関の車に乗る人が、当分の間お客さんについてくれるかなと。
でも、彼一人ですべて切り盛りしている修理工場・中古車屋なので、あんまり名前が知れ渡ってしまうと…
我々既存の顧客が、簡単に愛車を入庫させられなくなるか、もしくはマエストロが過労でぶっ倒れそうなので…
今の段階では、あんまり宣伝はしたくないというのが正直なところなんです。ごめんなさい。
メメは、経年劣化で垂れて来てしまっている天井の内張を、まだ張り替えていないので…
それが完了してから売りに出すつもりだとのこと。
今の段階でも、S君のところに来る常連のお客さんには、店頭でメメを見つけて…
「お、5ナンバーの155……8バルブか!珍しいのがあるね!」
といって興味を示す人が多いので…
「たぶんほしい人は多いと思います」と言われました。
なにしろエンジンが、これより2年後以降の型の、155TS16バルブになると…
名匠ジュゼッペ・ブッソの基本設計になる、アルファオリジナルの、オールアルミ製エンジンブロックでなく…
フィアットの鋳鉄製エンジンブロックになってしまって、タイミングチェーンもタイミングベルトに変わるので。
コアでマニアックなアルフィスタにとって、メメは貴重な1台ですから。
どうか、車を愛して丁寧に乗る、良い人の元に引き取られて行きますように。
そして、できればS君に車検や整備を依頼してくれる人で…
いつかまた、再会することができますように!
今日のおまけ動画。
アルファ155をベースにF-1並みのハイテクで作り上げたレーシングマシン「155V6TI」の迫力の走行シーンです。
(音量注意。動画時間6分9秒)