木の実、花の実、私の身

花が咲き終わった後、実をつける。
この実をよぉくみると、実にいとおしい。

十猪図~自分さがしの旅の道案内~

2012年09月16日 | 日々の想い
最近読んだ本のなかに見つけた言葉

こころの中に染み入ってきました。

~小泉吉宏さんの本より~




自分は一度も自分の中から

失われたことがないのに

どうして自分を探す必要があるのかなぁ

自分をどっかによそに置き忘れてきた

なんてことがあるのかなぁ

別々のようなものなのかなぁ

別々のような気もするし

いっしょのような気もする

ああ自分の足あとすらみつからないよぉ


本当の自分は何かの陰に

隠れているのかなぁ

自分を探す旅をして気がつくことは

苦しいとか楽しいとかという草や

いいとか悪いとかいう草や

欲とか恐怖とかという草が

道や足あとを隠して

ボクを迷わせているんだなってこと

そんな草をかき分けて進むのって

とってもくたびれるけど

あっ 足あとがみえたぞ


美しい鳥の声が聞こえる

太陽は暖かく風はやさしい

ボクのまわりにおこっていることの

すべてに敏感になった

この世のすべては

ボクの心でつくられていることを知った

心すら心でつくられていることを知った

そして ただただ この空の下に立つ時

ボクはボクを見つける


見つけられた彼はひとすじ縄では

取り押さえることはできない

自分の影のように彼は

追っても追っても 逃げる逃げる

頑固な彼を

大変な苦闘の末に取り押さえる

苦しんで疲れて立ち止まったら

彼は目の前におとなしくしていた

目覚めという鞭で 彼はおとなしくなる

あばれさせていたのは

自分だったのかもしれない


鞭と手綱を持っていないと

彼はすぐにゴミやホコリや

泥んこの道に入って隠れてしまう

飼いならしていくと

彼は自然におとなしくなる

そうやってなれてきたら

鞭も手綱もいらない

彼は後からついてくる


心の中の奮闘は終わった

損だの得だの

いいだの悪いだの

好きだ嫌いだの

そんな妄想も消えた

彼の上にまたがって

彼が歩くままにまかせても大丈夫

ゆっくりゆったりゆらりゆらり

家に帰っていく

いい気持ちで、笛を吹いて

家に帰っていく

無心の彼と無心のボク


彼をつかまえたと思っているうちは

まだまだ病気

彼をつかまえたボクと彼とは

2つではなく1つのもの

たとえ話で彼がいるだけ

雲が晴れたら月は出てくる

もう彼に用はない

鞭も手綱もいらない

彼の思うままにさせておけばいい

そして彼のことなんか忘れてしまう

嬉しいこともいいし悲しいこともいい

ボクはボクのもとに帰ってきた

さ ゆっくり休もう


わかったとわからないとかじゃない

気が付いたとか気がつかないとかじゃない

悟ったとか悟らないとかじゃない

またその(じゃない)とかでもない

右とか左とか上とか下とかじゃない

どちらでもあるし、どちらでもない

2つじゃない

ありがたいだの ありがたくないだの

ためになるだの ためにならないだの

いいだの悪いだの

うれしいだの悲しいだの

そんな名前の雪が降っても

みんな溶けてしまう


本来の自分に還るために

なんて苦労をいっぱいしてきたんだろう

草をかきわけ猪を探して

やっと飼いならして家に帰ってきたけど

すっかり猪のことも忘れて

元に戻ってきただけた

結局はありのまま

まんまでいいんだ

水は穏やかに流れている

花は紅く咲いている

はじめから世界はそのままで真実

はじめから世界は何も隠していないんだ


聖者賢者の後を追うこともない

心の旅を一周したことなんか

誰も気がつかないだろう

ボクはみんなと

飲んだり 笑ったり

それでみんな安心してしまう

超能力や奇跡をおこす力を使うわけじゃない

ただ歌ったり 笑ったりするだけで

みんなみんな安心してしまう




こころが暖かくなります

なんかいいなぁ…

では、また

最新の画像もっと見る

コメントを投稿