8/1
政宗が渋々参じる宇都宮
月見草電信柱もよく似合い
ぶぶ漬けをようやく喰うて長居梅雨
8/2
梅雨明けを一年待ったよな今夏
コロナより票を集める夏休み
アベマスク殿に仕える身の辛さ
8/3
遅かったお詫びにメリハリつけました
先生からまずPCRお故郷入り
自転車がゆうに自動車抜く時代
8/4
十日間あの手この手のシャクリ戦
川柳も実践派には敵わない
梅雨明けど日本の夏は痩せ細り
8/5
カップルも遠慮してはる手は離れ
CMで美味い美味いというジュース
詰め合わせコーヒー誘う世界旅
8/6
原爆もコロナも宿痾人の業
カブキ町ミナミにサカエ子も覚え
盆休み帰る帰らぬ押し問答
8/7
橋脚も作らず十八番の橋渡し
くま蝉は今は虫けら餓鬼もいぬ
禅問答よろしく巷の盆問答
8/8
土産だけ交換しようか今年の盆
通信簿うつってくるなと学期終え
ハイビスカス一日一輪深情け
8/9
水面揺れメダカ十二匹恙なく
朝一番ラインで届く孫の筆
来るならば早く帰れの盆となり
8/10
ガラガラとうがいで大阪夏の陣
黒づくめ紋付羽織のアゲハ蝶
一休もこの難局に解持たず
8/11
コロナ禍や自由に枠はあるなしや
くま蝉は高い梢で鳴くがよし
アベ車頼りのナビもサジを投げ
8/12
ありがとうたまにはあんたがんばれと
アクセルもブレーキも失せアベ車
金太郎らしきイワシに骨はなく
8/13
アリマキも世話役不在この暑さ
大雷雨諫めてみたが容赦せず
柿の蔕(へた)しつこいシャクリピタと止
8/14
この暑さ折り畳んで仕舞う夜
空雷雨虹を残してまた明日
孫娘預かり婆は蘇り
8/15
大戦と震災疫病寄る齢
惑わされオーボエ奏者は席を立つ
憎々しシミのCM弱み突き
8/16
厭戦の人生百年一文字
8・15孫の嵐が吹き荒れる
ワーケーション残してパンチの三枝子逝く
8/17
大文字字画足りぬが役果たし
頼られて塾への送り顔が立ち
深夜便昼間に聴いて夜眠る
8/18
楽聖がここぞ謳えと第九番
エコバッグ持てば持ったで気もそぞろ
俺コロナ執行猶予の浪花節
8/19
小田原で鯛めし買って往く八里
へんてこなあっという間の夏休み
WiFiの魔力タンカー底破り
8/20
自律心パンデミックに揺すぶられ
参拝はしといた方がと父は言い
長十郎歌舞伎もどきの名も廃れ
8/21
今日もまた飽きず昼ドラ血を流し
貯金より貯筋というよい報せ
貯金より貯筋というよい報せ
8/22
身を挺し健康寿命を説く院長
夕食の後はアンパンぼくキツネ
そうなんだもっとも怖い人の業
8/23
札束に指紋ドラマじゃあるまいし
日日草猛暑にめげぬ猛者ぶり
水争いそこ退けそこ退けリニアが通る
8/24
大雷雨猛暑ちょっぴり仰け反って
五年経てプルとキックのコツを知り
感想は名人超える十八歳
8/25/
自粛なく細々虫の音ありがたく
誰彼も繋ぐ命や種の起源
貝印女の機微を裏返す
8/26
初物の一匹千円偽サンマ
首長という名の首長竜
首長という名の首長竜
8/27
只ならぬ衰え知らぬ第8号
猛暑中フルーツゼリーのセラピスト
ゴミ屋敷かつては彼方今は其処
8/28
お膝元だもん垂れ幕ご愛嬌
妻子いる家庭で無理強い生産性
入道の夏の終わりの慎ましさ
8/29
獺祭も喝采していた長逗留
I Rガタピシガタピシ横浜市
恐ろしや耳もすんなり汚職事件
8/30
気紛れなボスと懇ろシンゾー評
三蜜を避けて残るは懐手
健康であってなんぼの吾が生業
8/31
大腸の患い妙な情けかけ
翻りわが家の一強恙なく
ドラキュラも姿を消したマスク顔