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帝国陸軍刑務所 刑場跡(226事件慰霊碑)
東京都渋谷区宇田川町
昭和初期
日本の国土を守り、日本の利益の為に大陸への拡大路線に深く関わった陸軍。
大局的に見ると、陸軍の目的は同じであるものの、内部では凄まじい派閥争いが始まりました。
まず、陸軍の高級士官らを中心に、国会、政府と連携を強化し、冷静に国際情勢を見極め、欧州列強に対抗することが国防に繋がることを提唱〜ヨーロッパで駐在武官を務めた永田鉄山が中心となり、主要メンバーに石原莞爾、東條英機らが集まる軍の規律と統制を尊重した【統制派】と、天皇忠誠を誓い、天皇親政による直接統治を目指し、政党や官僚制度は腐敗の温床となるため排除し、軍事力を積極的に行使して発展させるべきと主張〜陸軍を皇軍と言って憚らない陸軍教育総監部長の荒木貞夫が中心となり、永田鉄山と袂を分かった小畑敏四郎が主要メンバーとして構成された【皇道派】という両派により、陸軍には対立軸が出来上がっていました。
世界規模の恐慌に日本の政府が打ち出す経済政策が機能せず、慢性的な不況が毎年続くことに、国民…とりわけ地方、農山村部の生活は悲惨を極め、陸軍兵士の多くを輩出する地方出身の若者らの怒りの矛先は政府、財界、首相、内閣に向けられました。
彼らの多くの支持を集めたのが皇道派でした。
9に続きます。