季節を感じながら歩く soraの季節散歩

花や空や木や太陽 季節を感じ 気ままに歩くお散歩日記

2009.8.9 ぼんぼり祭

2009-08-19 | 鎌倉
あまり夏らしくない
梅雨のような天気が続く今年の夏。
少しでも夏の思い出を作りたくて
旦那さまと鶴岡八幡宮で行われた「ぼんぼり祭」に行ってきました。

その日は湿気のまとわりつくのぼせそうな天気だったので
浴衣を着るのに手こずりまして
鎌倉に到着したのは18時直前になってしまいました。

鎌倉の夜は早く
小町通りのお店はどこも店じまい…。

それでも八幡宮に近づくにつれ
浴衣姿の人々が増えてきました。
そして境内に入ってみたら…かなりの人がおるではないですか~!

ちょっとビックリです。
太鼓橋の付近ではカメラを三脚にしっかりと固定し
日が暮れるのを今か今かと待つカメラマンでいっぱいでした。



日が暮れる前のぼんぼりはこんな感じ。

そして日が暮れ始め
ぼんぼりのひとつひとつに灯りが点されていきます。





灯りが点されていないときに見る絵と
灯りが点されてから見る絵では
雰囲気がガラリと変わります。







気がつけば人の数もグンと増え
本殿へと続く階段は客席と化し人で埋め尽くされているではないですか。
舞殿で行われる催しの特等席ですね。
私たちはさらにぼんぼりに誘われましょう。







みなさまの素晴らしい絵にうっとり。
その中にひときわ光を放つぼんぼりが…
これは絵ではなく写真ですね。



そして毎年個性的な絵で楽しませてくれる竹中直人画伯の絵。
しっかり映画の宣伝も…。



夜もだんだんとふけてきて
人もだんだんと増えてきて
参道はもはや大渋滞…



写真を撮るのも一苦労。



もう少しゆっくりしていきたかったんですけど
人の多さと湿度の高さにクラクラになりそうだったので
雰囲気だけ楽しんでその場を後にしました。

夏の真っ盛りに行われる「ぼんぼり祭」。
暦の上ではもう秋なのです。
夏の思い出、夏祭り。
楽しかったです。



2009.8.3 真夏の鎌倉

2009-08-09 | 鎌倉
真夏の鎌倉散歩です。
ちょっと前までのあの喧騒はなんだったのか
夏になると鎌倉を歩く人の数はグンと減ります。

今日はどこを歩きましょう?
ノウゼンカズラももう終わってしまっているでしょうし
真夏の花と言えば桔梗でしょうか?

気の向くままにプラプラと
まずは北鎌倉で電車を降りてスタートです。

確か東慶寺の前にあるお宅のノウゼンカズラが見事だったはず…
って…やっぱり終わっていましたね…残念。
大好きな花なので未練タラタラです。
だってね…来年まで待たねばならないわけですからね…。

と言うわけでまずは東慶寺に訪れてみました。
紫陽花の季節の老若男女や修学旅行生は見当たらず
外国の旅行者が目立ちます。



東慶寺は北鎌倉を代表する花の寺として有名です。
水仙からロウバイ・梅・枝垂桜・紫陽花に花菖蒲・・・
ここに来ると花を通しての四季を堪能することができます。
そして8月うっそうと生い茂る木々。
花と言えばほんの少しの桔梗と
撫子が小さな花火のようにところどころに咲いているくらい。



それでもセミの声と照りつける太陽と
生命力豊かな緑に包まれ
なんだかとっても幸せな気分になりました。
ここへ来ると必ずお出迎え…そしてお見送りしてくださる
釈迦如来さまの背中も暑そうです。



そして続いてお隣の浄智寺へ行ってみることにしました。
なにやらいつもと様子が違う…
総門に何かがくくられている…
「開山・開基七百年・・・・・」何だあれ?



拝観受付には誰もおらず
黒い服に身を包んだ檀家さんらしき方々が次々といらっしゃり…
仏殿の前にはズラリとパイプ椅子が並べられ…
特に関係者以外立ち入り禁止でもなかったし
一回りしてきてもよかったんですけど
なんだか異様な雰囲気だったのでそのまま引き返してきました。



そしてセミの声をBGMに夏の空気にすっぽり包まれ歩きます。
建長寺の前を通り越し鶴岡八幡宮へ。
ここは巨福呂坂切通しといい七切通しのひとつ。
実際の切通しは現在通ることができなくなっていて
ほぼそれに沿うように新しく舗装道路ができています。



戦時に敵の襲来を防ぎ平時に経済道路として機能するように作られた切通し。
車社会になった現代でもここは難所です。
道は狭く入り組んでいるのでなかなか入れないし出られない。
鎌倉へはぜひ電車でお越しくださいね。

さてそして鶴岡八幡宮へと到着。
ホントに人が少ない…
ホントに外国人だらけ…
外国の方から見る鎌倉ってどんな感じなんでしょう?



今まで心に詰まっていた気持ちをゆっくりと神様にお伝えしました。
どうぞこれからもお導き下さいませ。

八幡宮では8月の風物詩「ぼんぼり祭り」の準備をしていました。
「ぼんぼり祭り」は毎年立秋の前日より8月9日までの3日間(閏年は4日間)行われます。
今年は8月6日から9日までの4日間。
さまざまな祭典や神事が行われたり
日没から点灯されるぼんぼりの灯りが幻想的で夏の夜にぴったり。



ひとつひとつのぼんぼりに描かれた絵や書を楽しむのもよし。
毎年著名人もぼんぼりに思いを込めていますので
それを探すのもまた楽しみのひとつでしょう。

大人の夏祭りと言った感じでしょうか?
私も今年は最終日に浴衣なんぞを着て行ってみたいと思っています。

さてさてそろそろお昼ご飯が食べたいな~。
ここからは二階堂方面へと向かいます。
目指すは瑞泉寺の桔梗。

八幡宮に向かって右側と左側ではまったく雰囲気が変わるから不思議です。
かつて源頼朝が居を構えた大蔵幕府があったのがここら辺
八幡宮の右手側です。
平坦な地が開け住宅や小学校があり空がとても広く感じます。

途中の源頼朝の墓を通り越し
荏柄天神社も通り過ぎようと思ったのですが
なにやら呼ばれているような気がして行ってみることに。

小さいながらも菅原道真を祭神とする
福岡の太宰府天満宮・京都の北野天満宮と共に日本三天神と言われています。
鎌倉で最初に梅が咲くのがここと言われており
その頃にはたくさんの受験生が訪れる梅の神社。

そして8月の梅の神社。
なんとなんとここで取れた梅が干されてる~。
梅干作ってるよ~。
この光景を見られたことにテンションが急上昇。
道真公に「来てよかった。ありがとう。」と感謝感謝の気持ちを伝え
写真を数枚撮らせていただきました。





そしてようやくお昼ご飯。
以前旦那と行ったことのある手打ちそば「宮前」に行きました。
鎌倉宮の前にあるそのまんまの名前のおそば屋さん。
以前は紅葉の季節でかなりの大盛況だったのですが
私が入ると先客一人。
夏はこんなものなのでしょう。
ぶっかけそばをいただきました。



愛情たっぷりのおそば。
私の後に3人組のおば様がいらしたのですが
「前も来てね、おいしかったからまた来たの。近所の人にも宣伝してるよ。」
と言われご主人は深々と「それはそれは、ありがとうございます。」と一言。
そこには本物の気持ちさえあればいいのです。

午前中に材木座で獲れたプリプリのシラスをおまけで頂いちゃいました。


【手打そば 宮前   鎌倉市二階堂93-14 ℡.0467-38-5588】

そして鎌倉宮をお参り。
今日は鎌倉に来る前に氏神さまにもお参りしてきたので
4回目のお参りになります。
ただひたすらに「今日鎌倉に来てよかった」とお礼。

鎌倉宮はしばらく来ない間に面白いものが増えていました。
「厄割り石」盃に大きく息を吹きかけ横の石に投げて割り体の悪いものを取る…や
「ひとこと願い串」「身代わりさま」など。
ここに来れば憑物が取れたり願いを叶えてくれたりしてくれそうです。







そして山の奥にひっそりと佇む瑞泉寺へと向かいます。
途中にやはりノウゼンカズラがたわわに咲き誇るお宅があるのですが
ホントにすっかりと終了してしまった様子でした。
あ~悲しい。

以前、瑞泉寺の拝観受付の手前に
おじいちゃんとおばあちゃんがやっていらっしゃる「土鈴」のお店がありました。
数年前におばあちゃんが他界され
それでもおじいちゃんが細々と続けておられたのですが
すっかり空き家になってしまったみたいです。
なんだかちょっと切ないですね…。

そんな思い出を回想しながら足を踏み入れると…
瑞泉寺もすっかり木々が生い茂り夏の空気が充満しておりました。
それでも山から吹いてくる風がなんとも心地よくて
両手を広げ自然からのパワーをたくさん吸収。
ほぼ貸し切り状態だったので独り占めできました。

本当に来てよかった。

本堂の前には桔梗が太陽と戯れキラキラと咲いていました。
私も負けじとその桔梗と戯れることに…。
太陽も「一緒に遊んで」と体中を包み汗びっしょり…。



今年の桔梗は…背丈が長いような気がしました。
このお寺も1年中花が咲いているお寺として有名です。
もうひとつ有名なのが本堂裏の庭園。
秋にはここに彼岸花が咲き
ノスタルジックな雰囲気を味わうこともできます。



なんだか本格的な夏を迎えていないのに
自然界では着実に夏の終わりに近づいている…。
今度はいつこれるかな?

最後にまたひたすらと炎天下を歩き
妙本寺へと行ってみました。
ちょっとだけノウゼンカズラに期待したけど花が3個ほど…
はい、もう諦めます。

いつもの猫ちゃんは他のお姉さんと遊んでいました。
ゆっくりとのんびと。
たくさん歩いてたくさん汗をかいて
鎌倉はいつも大切なことを教えてくれます。



すっかり真っ黒になってしまいました。
真夏の鎌倉。
日焼け止めはもちろん。
帽子や日傘そして水分補給は忘れずに…。



2009.6.29 夏めぐり

2009-07-02 | 鎌倉
目覚めたら金ピカの太陽が顔を出していて
きっとノウゼンカズラも咲いているに違いないと思い
久しぶりに一人で鎌倉歩きをしてきました。

駅を降りると笹の葉がお出迎え
そうだもうすぐ七夕だ。
小町通りも八幡宮の二の鳥居も
そして鳩サブレの本店・豊島屋さんも
笹の葉が飾られていました。
今では忘れられてしまった風情が残る街。
幼き頃を思い出したりして…



さてまずは腹ごしらえということで
いつも行くインドカレー屋「T-SIDE」へ。
以前に小町通りにあった頃から通っているのですが
移転してからは試行錯誤を繰り返しているのか
行くたびにメニューが変わり値段も変わり…
私としては以前のランチセットが
味もボリュームもビジュアルも好きだったので
いつか復活してくれないかな~と願いつつ
こうして何度も足を運んでしまうのですが…



そして改めてスタート。
若宮大路をひたすら海まで歩きます。
結局太陽は雲に隠れ
湿度がまとわりつき息苦しい暑さに包まれてしまいました。

この若宮大路は京都の朱雀大路にならい
源頼朝が作ったものと言われています。
当時の鎌倉は湿地帯だったので
整備のされた主要道路を作ることにより
鎌倉の地が発展をとげていったのでしょうね。

そして視界がグッと開けて海が広がります。
海からのべたつく潮風が不快指数を上げますが
なぜか嬉しく気持ちよい気分になるから不思議です。
海開き寸前の海岸。
早くも真っ黒になり砂遊びをする子供たちや家族連れ
水着姿で昼寝をする人など夏を先取りです。



材木座海岸を逗子方面にキラキラの海と戯れながら
ファインダーを覗いてはシャッターを押し…。



この先には国史跡にも指定されている日本最古の築港跡「和賀江島」があるのですが
鎌倉時代の材木座海岸は商工業・物資集散地として賑わっていたので
今でも海岸には中国の青磁などの破片が眠っていたりします。
それ以外にもビックリするようなお宝もいっぱいあったりして
最近ではこの宝探し「ビーチコーミング」を楽しむ方も増えているみたいです。

貝殻や色んな物?の破片が波に砕かれビーチに散在
そしてその破片と砂と波が織り成す模様が…
何とも言えない不思議なアート。
大切な時間がそこには流れているような気がしました。



さてさてそんな感じで海岸を歩きながらたまに降り返り
由比ガ浜やその先の稲村ヶ崎を確認しながら先へ進んでいたのですが
和賀江島が近づくにつれて
あらまぁ稲村ヶ崎の先に江ノ島が見えるではないですか!
なんだかわけもなく嬉しくなってみたりして。
東京タワーやランドマークタワーそして江ノ島展望台
シンボルタワーをみつけるとやけにテンションが上がってしまいます。



それからは江ノ島の位置を確認しながら和賀江島を目指します。
現在は見る影もなく砂利の島なのですが
ここまで来る観光客はあまりいないようで
昭和初期に町の青年団が建てた和賀江島の碑が妙に不気味に佇んでいます。
ここで引き返そうと思ったのですが
なにやら先へと続く階段が…住宅地へと続いているようで…
もちろん登ってみました。

あらあらそしたらまた視界がグッと開けて
江ノ島もよく見えるわ和賀江島なんか上からのほうがよくわかるわ。
まさに由比ガ浜を一望ですよ。
きっと天気がいい日(特に冬なんか)は富士山も見えるんだろうな~。
江ノ島に富士山
シンボルが二つで相当テンション上がっちゃうよ。
歩いたからこそ見つけた絶景。



そしてこのちょっと先には「六角の井」がありました。
鎌倉十井のひとつで住宅地の片隅にひっそりと…。
こんなところに井戸が出るの?
というくらい不思議なところに今でも大切に残されています。



ここからちょっと歩けばもう逗子マリーナ。
そして私はR134沿いを引き返し少し高い位置から再び海を楽しみます。
少し陽も差してきました。

そして「光明寺」へ向かいます。
総門では光明寺に隣接している材木座幼稚園の園児たちが園バスを待っていました。
とてもかわいらしく微笑ましい様子に思わず顔がほころびます。
『バス来て~』『バスまだかな~』
黄色い帽子が雛のようです。



海に近い静かなお寺。
春には桜が咲き本堂右手にある石庭ではサツキが楽しませてくれます。
また反対の本堂左手には蓮池があり
まさにこれからといった感じで出迎えてくれました。



そしてこのお寺にも猫ちゃんがたくさん暮らしていて…
本堂の手前に一匹お昼寝
その奥にももう一匹同じ姿でお昼寝
そして本堂に上がって振り返ってみたらもう一匹もお昼寝。



起しちゃならぬと遠目から写真に納め
お参りと蓮池を見物して戻ってみると…
あらまぁ三匹集まっちゃった。
今日はお昼寝日和だよね。
気持ちよさそう。
私もちょっと休憩。



帰りがけに三門の脇にもお昼寝猫ちゃんを二匹発見。
のんびりと開放的なお寺です。

そしてお次はミモザで有名な「来迎寺」を目指します。
ミモザは2月のお花。今は夏。なぜここ?
ここに毎年たわわなノウゼンカズラが咲くんですよ。
境内にではなく入口近くの駐車場に。
蔓があまり高くまで伸びていないので
私の目線で心行くまでノウゼンカズラと戯れることができるのです。
しかし風などあまり吹いていないのに
ボタッ! ボタッ! と
あのラッパの花ごと地面に散乱していて…
曇ってしまったのが残念。
やっぱりノウゼンカズラには青空と太陽の光が似合うので
また近いうちにノウゼンカズラと戯れる旅に出ようと思います。





そして「長勝寺」に軽く寄って日蓮上人の像をパシャッと撮って
そそくさと帰ろうと思っていたら
まさにファインダーを覗いているときに背後でガサゴソと音がして…
やばいこの不届きな気持ちがお寺の方に伝わってしまったのかも
きっと注意されるに違いないと降り返ると…
目の前の木にリスがいました。
あ~びっくりした。



鎌倉ではいたるところでこの台湾リスと遭遇することができます。
なぜ鎌倉に台湾リス?
以前江ノ島にミニ動物園があったのですが
そこから逃亡したリスが繁殖したという説が強いそうです。
でもそんな繁殖って言ったって…
以前暮らしていた大船にもたくさんいましたし
すごい生命力ですね…。
かわいいというよりもちょっと不気味。
以前大群でいたのを目撃したときはホントに鳥肌ものでした。

でも今ではこの台湾リスも鎌倉の醍醐味のひとつになっていますよね。
警戒心がないのか人の多い観光地にもよく出没しますので
ぜひ探してみてくださいね。

そしてお次は「妙本寺」へと向かいます。
下校中の小学生とぶつかりそうになりながらいっぱいすれ違い
駅へと近づいて行きます。
この大町から材木座にかけては
観光地鎌倉というよりも地元鎌倉が色濃く
自然に暮らす地元の生活が垣間見れて楽しいです。

鎌倉はホントに奥が深く不思議な街のような気がします。

私の大好きな妙本寺も駅からすぐだというのに
うっそうとした木々に囲まれ、まるで異空間。
静かで心が安らぎ、ここに来るとなんだか落ち着きます。

二天門をくぐると両脇にノウゼンカズラがお出迎え…のはずなのですが
やはりちょっと早かったのか少ししか咲いていませんでした。
木立ちに囲まれているせいか
桜や海棠も少しずれて咲いているような気がするのです。
ノウゼンカズラだってあんなに花がボタボタ落ちるほど咲いていたのに
ここでは右手側の蔓にいたってはまったく咲いておらず
いつ来たら見頃なのか不明…。





そして大きな屋根の祖師堂ではいつもの猫ちゃんがいつもの場所で
お行儀よく眠っていました。
かなり昔からいつ来てもいつもいる猫。
ある意味この寺の主。



ここで少し一休み。
ボーッと風を感じ今日の散歩をカメラを見ながらおさらい。
恋人を見つけられないウグイスがまだ鳴き続けていました。

帰りがけにお隣の「本覚寺」にも寄ってみました。
実はノウゼンカズラの穴場スポットなのですよ。
仁王門から本堂に向かって抜けていく方が多いのですが
実はお手洗いの脇に咲いているんです。
お手洗いに行かないと気づかないかも。





そんなわけで今回は海めぐり
そしてノウゼンカズラと戯れる散策となりました。
お寺の由緒などまたいつかの機会にお伝えできればと思います。

自然と共存する鎌倉。
いろんな楽しみ方があってホントに素敵な街です。

2009.6.7 紫陽花シーズン到来

2009-06-14 | 鎌倉
街には紫陽花がそこかしこに…
鎌倉もすっかり紫陽花で有名になり
さぞ混んでいるんだろうな~とは思っておりましたが
想像以上に人でいっぱいでした。

人・人・人でごった返す鎌倉駅東口を降り
小町通りを突き進む。
まだ10時過ぎだというのに賑わっていました。
さっそくお土産を購入されている方
ソフトクリームや団子をほおばる方。

八幡宮に出る手前を左に曲がると「いわや小路」。
さっきまでの喧騒はなんだったのか
急に人の数が減りました。
風情のある路を突き進むと踏み切りに出ます。
その先が寿福寺になるのですがまた後で…。
まずは「浄光明寺」に向かいます。





歴史も深く花の寺でもあるのに
なぜかこのお寺に足を延ばす人は少なく
最近のガイドブックには載っていないこともあります。
残念…。

本堂より先は8月以外の木・土・日・祝のみの公開になるのですが
ぜひ一度は行ってみることをおすすめします。
重要文化財に指定されている「阿弥陀三尊像」を間近に見ることができます。
私も仏像にはそんなに興味はないのですが
なんでも鎌倉彫刻を代表する仏像なんですって。
もちろん写真はNGなのですが
お顔立ちやら手の仕草やら衣の細部まで細やかに見ることができるので
一見の価値はあると思います。

本堂の奥には
いかにも滑りやすそうな石の階段があり裏山に入っていけます。
ここにも絶対に行って欲しい。
というか行かないと損です。
もちろん(そのときは)誰も足を踏み入れておらず
貸切状態。
申し遅れましたが今回も旅のお供は旦那さまです。

ちょっと登っただけで視界がグッと開け
振り向くと由比ガ浜がポッカリと見えます。
おお~なんていい眺めだ。
お天気も良かったのでうっすらと大島が見えましたよ。

そして奥のやぐらの中には「網引地蔵」がおられます。
由比ガ浜の漁師が網にかかったのを引き上げたとされています。

そしてさらに上に続く階段を登ると
「冷泉為相の墓」とされる宝篋印塔があります。
鬱蒼とした木立ちの中なのでちょっと不気味ではありますが
これまた振り向くと木立ちの間から由比ガ浜がポッカリと見えて
それはそれは素晴らしい景色です。
この景色こそ鎌倉ならでは!







貸切の浄光明寺を後に「泉の井」を見に行きます。
鎌倉十井のひとつです。
秋には萩の花がたくさん咲くそうなのですが…
6月だというのに早くも咲き始めていました…。
早すぎるぞ。



そして今ではすっかり有名になってしまった花の寺「海蔵寺」へ。
浄光明寺とは打って変わって
続々と人の数が増え、中には車で来る人も。
一歩お寺に足を踏み入れれば
笑っちゃうくらい人であふれかえっていました。
もちろん皆さんカメラを片手にウロウロと…
撮りたい構図はみな同じでかぶりまくり(笑)。

ちょっと前までは穴場的存在だったはずなのに
そしてそこには大きなカメラを抱えたアマチュアカメラマン(プロももちろんいたと思うけど)だけが
静かな境内で自然と向かい合っていたはずなのに
デジカメに移行してからホントにいろいろ変わったな~。
もちろんガイドブックで大きく取り上げられているのもあるのでしょうけどね。

マツバギクと花菖蒲が見頃…シャッターチャンスといった具合でした。





海蔵寺の山門脇にも鎌倉十井のひとつ「底抜の井」があります。
昔、修行中の尼がこの井戸から水を汲んだら桶の底が抜けてしまい
その時に煩悩が解け悟りを開いたと伝わっています。

先ほどの網引地蔵にしろ底抜の井にしろ
この嘘のような言い伝えがずっと守られているところが
鎌倉の魅力のひとつなんだな~と思います。



そしてお次は「英勝寺」へ。
太田道灌の屋敷跡にその子孫お勝の方が創建したお寺で
鎌倉に残る唯一の尼寺です。
お勝の方は徳川家康の側室であげまんだったそうですよ。
その後代々水戸徳川家から住職を迎え幕府の保護を受けてきたそうです。

冬の梅・春の桜そして秋の彼岸花が有名ですが。
なんといってもこのお寺…手入れもそこそこだし
勝手に見てってください的ないわいる放置状態なのです。
そこがまた素晴らしく
気取らないそのままの四季の姿を堪能することができます。

冬の梅…春には実…実がそのまま…
あ~梅干やら梅酒をたくさん作れるだろうに~
これまた放置。

そして奥にある竹林も圧巻。
なんだか逞しささえ感じます。
春にニョッキと出てきた竹の子もすっかり大きくなっていました。
竹ってすごいな。







お次は「寿福寺」へ。
緑に覆われた石畳の参道は鎌倉では珍しい景観なのではないでしょうか?
仏殿は一般公開されていないので
山門から首を延ばして中を覗き込まなければなりませんが
仏殿と庭がちょうどいいバランスで目に飛び込み
建長寺・円覚寺に次ぐ鎌倉五山第三位の格式が伺えます。

源頼朝の父・義朝の屋敷があったところで
頼朝も鎌倉入りをした際にこの地に居を構えようとしましたが
土地が狭かったので大蔵に幕府(将軍の屋敷)を開きました。

裏の墓地には北条政子と三代将軍・源実朝の墓と伝えられるやぐらがあり
人様のお墓の間をふらりふらりと歩いてきました。
最近のお墓からホントに古いお墓まで…
そして政子や実朝のやぐらの他にもたくさんのやぐらがあり
ちょっと不気味な感じでした…。

すぐ上に源氏山公園があり
寿福寺のお墓を抜けて行くこともできますが
結構ハードなので他の道を選びましょう。
なのになぜが行きかう人が多く
悲鳴にも近い騒ぎ声が聞こえました。







はい、そしてようやくお昼ご飯。
先日入手した「散歩の達人」(鎌倉特集)に紹介されていた
「居食家 灯り」を目指します。
この扇ヶ谷周辺には食べるところがないので
あらかじめここに行こうと決めておきました。

散達によると
ご夫婦と息子さんで営む店でランチは約10種類。

そして散達に載っていた「鯵の梅しそフライとなすのはさみ揚げ定食」をいただくことにしました。
なぜってお店の方もやはりそれをおすすめしてくれたからです。
揚げたて熱々の鯵は旨みがぎっしり詰まっていて格別。
ご飯・味噌汁・小鉢・サラダ・漬物がついて1000円…安い!

外観が地味なので通り過ぎてしまいそうになりますが
気取らず手軽にランチを楽しめますのでおすすめです!


【鎌倉駅西口から徒歩5分・鎌倉市御成町13-16・℡0467-61-4575】

さて次は江ノ電に乗って「鎌倉文学館」へと向かいます。
旦那と何度となく出かけている鎌倉。
行ったことがないところに行きたいというリクエストもあり
今回のコースが決まったわけですが
江ノ電のホームが笑えるくらい激混み~。

電車が入ってきても乗り切れずに次を待つ…
もちろん車内は通勤電車並みの満員状態…
由比ガ浜で降りる予定でしたが絶対に降りれないので
降りる人も多いだろう長谷から向かうことにしました。

案の定長谷で半分が降り…しかしホームで待つ人もあふれていたのでプラマイゼロ。
長谷寺の紫陽花や成就院の紫陽花そして鎌倉大仏へと
みなみなさま向かうのでしょうね。

私たちは海側へと降りてすぐに裏道を歩きました。
ほ~。
この喧騒の違い。
人がいるところといないところが極端な鎌倉。
さっきの満員電車はなんだったのか
江ノ電の線路で写真をパチリ。



そしていよいよ文学館。
元加賀藩主前田公爵の別邸として昭和11年に建設された洋風建築。
鎌倉市に寄贈されて鎌倉文学館として著名人の原稿やらゆかりの品が展示されています。
鎌倉には昭和を代表するさまざまな文士が滞在したり居を構えたりしました。

建物も素晴らしいのですが
由比ガ浜を見下ろす庭もとても美しく
中でもバラはとても有名です。
見頃はとっくに過ぎておりチラホラとしか咲いていませんでしたが
それでもいくつか綺麗なバラを写真におさめることができました。







帰りは江ノ電に乗ることを諦めて
歩いて鎌倉駅に向かうことにしました。
由比ガ浜大通りも車の大渋滞…そして地元の祭りもやっていてお神輿渋滞も。

観光地鎌倉
生活する鎌倉
いろいろな表情があり
虜になってしまう人が多いのでしょうね。

旦那は首が真っ赤かに焼けてしまいました。
日焼け対策は忘れずにお出かけくださいね。

2009.5.9 朝比奈切通

2009-05-17 | 鎌倉
鎌倉日記を復活させました。
気ままに歩く鎌倉散歩。
ガイドブックに載っているところも載っていないところも
歴史を交えて楽しく紹介できたらなと思っております。
お付き合いいただけたら幸いです。

さて一発目の新鎌倉日記ですが
いきなりマニアックなところからの紹介となります。

鎌倉といえば
もちろん鎌倉駅
そしてお隣の北鎌倉
あるいは江ノ島あたりが玄関口となりますが
今回は金沢八景から鎌倉を目指すコースを取ってみました。

金沢八景からバスで10分
朝比奈バス停を降りるとすぐに
「朝比奈切通」の道標がお出迎えしてくれます。



朝比奈切通は「鎌倉七切通」のひとつで
当時の姿を色濃く残し
国の史跡にも指定されています。

鎌倉は三方を山に囲まれ一方が海に面す自然の要塞。
戦時に敵の襲来を防ぎ
平時には物資などを運ぶ交通の要路として切通が作られました。

入口に入る前から
ウグイスの鳴き声が響き渡ります。
近くを走る有料道路の騒音も
木立ちが深まると共に消えていき
まるでタイムトリップしたかのような錯覚に陥ります。





自然がそのままの姿で生きている。
毛虫くんにもたくさん出会いました。
トカゲくんにも…

途中に分かれ道があり「熊野神社」に向かいます。

すぐにお目見えするのかと思いきや
鳥居のように続く杉木立の参道をまだかまだかと歩き
ようやく木々の隙間に拝殿が見えました。





こんな山の中にポツリと神社。
私たち以外に誰もおらず
太陽の光が優しくふりそそぎとても静か。
心洗われたような気分になりました。

引き返して再び切通を歩きます。
途中から水の音が大きくなり
道の両脇にせせらぎが…





そのせせらぎは蛇行をくり返し
道にも水が滴ります。
どこを歩いていいのやら
やっぱり靴は泥だらけ。

緑があり土があり水があり
なんて素敵なところなんでしょう。
美味しい空気を胸いっぱいに吸い込んで
元気をいっぱいもらってきました。

そしてようやく出口。
ここには通称「三郎の滝」と呼ばれる滝が流れています。



朝比奈切通は執権・北条泰時が鎌倉と横浜を結ぶ経済路として作ったと言われています。
自らも工事に着手したとか。

また一説では和田義盛の三男・朝比奈義秀が一夜で作ったと伝えられています。
義秀は大力無双で知られ「朝比奈」の由来も彼からきているようです。
それだけ荒々しい切通ということなのでしょう。

舗装された道に出たものの
しばらくは先ほどの切通の名残が続きます。
そしてようやく金沢街道に。

現在の鎌倉と横浜を結ぶルート。
江戸時代の観光は
品川から横浜まで船を使い
そこから先ほどの朝比奈切通をへて鎌倉入りしたそうです。

しかしここから鎌倉まではまだまだ。

「そろそろおトイレに行きたいね。」と旦那さま。
いい忘れましたが今回の旅の道連れは旦那さまです。

「も少ししたら光触寺があるから、そこにおトイレがあるよ。」
と言うわけで光触寺へ。

とても小さく静かなお寺です。
相変わらず不気味な一遍上人の像があり
そのお隣には「塩嘗地蔵」がお堂の中にたたずんでいます。



かつて六浦(横浜市金沢区)の塩売り商人が
商売繁盛を願って地蔵に初穂の塩を供えたところ
帰りにはなくなっていたので
お地蔵様が嘗めたのだろうという伝えがあります。

小さいながらも季節の花が楽しませてくれるので
いつ行っても違う雰囲気が楽しめるお寺です。

そしてお昼は「ちくあん」のお蕎麦。
わざわざ遠方から車で来るほどの人気ぶりで
私たちが到着したときはお昼時というのもあって並んでいました。





私は個人的にここのお蕎麦が今までで一番おいしいと思っています。
んがしかし
いつもなら車海老天せいろを選ぶところなのだけど
なんとなく旦那に連られて白海老バラ揚げそばを頼んでみたら…

要するにかき揚げなわけね。
そして苦手な玉ねぎちゃんがいっぱい入ってる~ってことで
ちょっぴり残念でした。
悪いのは自分。

しかしながらお蕎麦は相変わらずおいしかったです。

お腹もいっぱいになり
すぐ近くの「明王院」に寄ってみました。
境内の写真撮影が禁止なので
風情ある古刹の様子を伝えられないのが残念ですが
茅葺き屋根のお堂など
懐かしい気持ちになれるお寺です。



その後は金沢街道をひたすら鎌倉方面へと歩きます。
報国寺が近づくと
さすがに人の数も増え賑やかになってきました。
竹寺として有名になった報国寺を通過して
鎌倉最古のお寺「杉本寺」を目指します。

734年に創建されたと伝えられるので…奈良時代です。
仁王門から本堂まで苔で覆われた石段が続くのですが
現在は保存のため立ち入り禁止で側道を上がっていきます。

本堂は靴を脱いで拝観できるようになっており
本尊である三体の十一面観音菩薩を近くで見ることもできます。
近くといっても
地震が来ても火災が起きても強盗にあっても大丈夫といったような
厳重な蔵に保管されているので
よくは見えません。





この三体の観音様
むかし隣の家で火災が起こり
その火を逃れようと自ら自力で外に出て
杉の木の根元に非難していたという伝えがあります。

それが杉本寺という名前の由来と言われているそうです。

そして住宅街を歩いて八幡宮の脇を通り
裏道をくねくねと歩き菜がら鎌倉駅へと向かいました。

日はまだ高かったのですが
たくさん歩いてちょっと疲れてしまったのと
森林浴ができてすっかり満足してしまったので
お家に帰ってのんびりするべく家路へつきました。

お家でおさらい。
私にとって朝比奈切通はデトックスコースです。
肩こりがだいぶラクになっていました。