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10.イギリス 「貪欲な習得心」

 「貪欲な習得心」 一部引用編集簡略版

  イギリスが発展した大きな理由の一つに、歴史を通じて外国の文化を貪欲に取り入れて、消化してきたことがある。まずイギリス人自体が、混血を繰り返してきた雑種民族である。歴史が記録される以前を省いて、イギリスがその後アジアやアフリカを統治したときのように、初めにローマ人が支配するためにやってきた。ローマ人はイギリス人が第二次世界大戦後にインドやマレーシア、ウガンダやケニアから去っていったように、五世紀に大陸へ引き揚げた。

  ローマ人はイギリスに、ロンドンと道路網とビールをもたらしたといわれる。ローマ人はビールよりはワインを好んで飲んだが、イギリスに点在するパブの先駆けである「タベルナ」(ラテン語で「食堂」)を、町や幹線道路に一定した間隔ごとにつくった。英語の「ターバン」(居酒屋)の語源となっている。イギリスのパブのサインー看板は世界の店の看板のなかでもっとも個性的で、それぞれが独自でイギリスを訪れる者の目を楽しませてくれるが、ローマ人が教えていったものである。

  その後、五世紀にアングロ・サクソン人が、八世紀にデーン人が、十一世紀にはノルマン人が征服者として渡ってきたが、ローマ人と違って定住するためにやってきた。イギリスは古代の日本と同じように、人種と異文化の坩堝(るつぼ)なのだ(ここの日本に関する項は根拠不明。最近のDNA分析では大陸や半島の影響は極小です)。イギリス人は外来文化の消化能力が高い。長いあいだ、「絶東の島」であった日本と似ている。

  イギリスはノルマン人がやってきた後も、長いあいだ、大陸と比べて技術が遅れていたから、ヨーロッパ大陸から多くの外国人専門家を招いて、先進技術を習得することにつとめた。ヘンリー八世は后の首をすげかえるのにも忙しかったが、イギリス海軍の基礎を築くに当たって、多くのイタリア人の造船工を招いた。ヘンリー八世の治世にはドイツの鉱業専門家や、整地、水路の整備のためにオランダから専門家を雇い入れた。日本が明治の近代化に当たって、西洋から学芸や技術や、制度を習得するために、多くの”お雇い外国人(投稿者注:ものすごい高額の給料を払った)”を招いたのに似ている。

参考:加瀬英明著「イギリス 衰亡しない伝統国家」
 加瀬英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長
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