流されてまた立て直す鴨の陣
季語 鴨の陣 鴨の傍題 鴨は雁とおなじガンカモ科に属しているので、形や習性が似ている。鴨類のうち、真鴨・小鴨・葦鴨・尾長鴨などは河川・湖沼で、鈴鴨・黒鴨などは海上・港湾・荒磯などで見られる。秋、雁と同じ頃に飛来し、春に北方に帰る。早朝や夜間に草の実や水草を取りに行き、昼間は群れをなして水に浮いていることが多い。
掲句 鴨が帰るのは三月になってからで、まだ河川で暮らしている。日中こながれで流され、何度も元の場所に戻って、また ながされて遊んでいる。その光景を句にした。 鴨は冬の季語。
例句 陣の鴨一羽が翔てば皆たてる 田川 栄