ガラス戸を閉め忘れたる猫の恋
季語 猫の恋 猫の繁殖期は年に数回あるが、特に早春の盛りのついた猫の行動を指していう。雌猫が発情して落ち着かなくなると、餌を食べるのも忘れてさまよい歩き、雌をめぐる争いで傷をおったりする。飼い猫が何日も家を空けて痩せて焦燥しきって帰って来ることもある。人間の傍らで暮らす動物であるだけに、この時期の猫の様々な生態は細かく観察される。俳人は、本能の赴くままに恋やつれした猫の姿に、人間の恋を重ねて、洒脱にユーモァを込めて詠んできた。
歳時記抜粋。
例句 猫の帰宅を待ってガラス戸を少し開けておいたが、、、、。
例句 おそろしや石垣崩す猫の恋 正岡子規