ごきぶりや女にもある喉ぼとけ
季語 ごきぶり 油虫の傍題 ゴキブリ科の昆虫の総称。夏になると台所を中心に至る所に出てくる最も嫌われている害虫の一つで、苦手な女性は悲鳴をあげるほどである。体は扁平で横幅があり楕円形。体色は褐色が多く、油を塗ったようにてらてらと光沢があるので、油虫と言われる。六本の足を使って疾走し、たちまちに物陰に逃げ込んでしまい、なかなか捕獲することができない。繁殖力が強く、駆除することが難しい。御器齧とは木犀の食器類を噛むことによるとも。この昆虫の頭が小さく、頭のように見えるのは前胸でその姿がお椀を被っているように見えるからだともいわれている。歳時記抜粋。
掲句 弱きもの汝の名は女なり 坪内逍遥訳 ハムレット。
例句 ごきぶりを見しより疑心兆したる。西村和子