投資家の目線

投資家の目線331(Occupy Tokyo)

 まず、エマニュエル・トッド著「帝国以後 アメリカ・システムの崩壊」(石崎晴己訳 藤原書店)P97より(エマニュエル・トッドは、9月8日の日本経済新聞朝刊でも取り上げられていた。政治部はともかく、外信部は同氏の主張は無視できないと考えているのだろう。 「アラブの春」の社会的背景、エマニュエル・トッド氏――識字率上昇、個人が自律。)、


引用開始

 第二ポエニ戦争によってカルタゴに決定的勝利を収めたのちの一〇〇年間で、ローマは急速に東方へと拡大し、環地中海地域全域の主となった。今や土地、金銭、奴隷の無限の資源を有していた。支配圏全域から金銭資源を徴集し、それで大量の食料品と加工製品を輸入することができたのである。ローマの政治的支配によってグローバル化されたこの地中海経済の中で、イタリアの農民と職人はその有用性を失って行った。社会は経済的に無用の平民層と略奪的金権政治階層の二極に分極化した。無産階級化した住民のはるか上方に富を飽食した少数者集団がふんぞり返っていた。中産階級は内部崩壊し、その崩壊過程が共和国の消滅と帝国の確立を引き起こした。まさに政治システムの安定性のために中間的社会カテゴリーがいかに重要であるかについての、アリストテレスの分析が示す通りのことが起こったのである。
 平民は従順ではなかったが、地理的中央部に居座っているため排除するわけにも行かず、終いには帝国の経費でパンと見世物、すなわち食糧と娯楽を与えるようになった。

引用終了


 15日、「Occupy Tokyo」のデモがあった。日比谷公園のデモ隊の主張は、TPP反対、脱原発、反記者クラブなど様々ではあったが、「パンと見世物」を要求しているわけではなく、健全なものだと思う。現状は上に書かれたローマの記述に良く似ているように感じるが、ローマと異なり、日本の平民層は政府に対して大人しく従うお人よしのままだろうか?「パンと見世物」を与えるか、グローバル化に一定の歯止めを設けるか、それとも平民層も受忍できる第三の道を見つけるか。大きな政治判断が求められそうだ。

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・大韓民国に朝鮮王室儀軌が返還される。シャープ在韓米軍司令官(当時)が中央日報のインタビューで、

引用開始

=韓日軍事協力問題に対する見解は。
「協力がうまくいっていて、今後もさらに発展すると見ている。 日本は韓国の防衛に非常に重要だ。 米軍後方司令部と弾薬庫、燃料基地がある。 韓半島の戦時に米軍は日本を経て増強される。 日本は私たちの同盟を強化できる資産を持っている。 日本の大地震当時、韓国が日本を支援したように、軍事部門の協力にも進展があればいい」

「地震で見られた韓日協力が軍事部門にもあれば」(2)2011年05月18日 中央日報

引用終了

と言っていた。日韓協力は米軍の利益にかなう。日米同盟を支持しながら朝鮮王室儀軌の返還には反対などで日韓を対立させる方向に向かわせるのは矛盾が生じてしまう。


最高検検事(前水戸地検検事正)が飲食店で暴行したとされる事件で、暴行容疑が起訴猶予、威力業務妨害容疑が不起訴処分となった(2011/11/14日本経済新聞朝刊)。最高検は人事処分を行わないという。検察関係者じゃなかったらどういう処分になったのだろう?


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