投資家の目線

投資家の目線871(テスラの値上げと第4次産業革命)

 テスラの小型車「モデル3」の最廉価車種が過去1年で1万ドル上昇し、4万6990ドル(1$=124円で約583万円)になったという。原因としては、原材料のアルミやロシア産が世界シェアの約1割を占めるニッケルの価格高騰が挙げられている(『テスラ襲う資源高 「モデル3」値上げ幅、1年で120万円』 2022/4/3 日本経済新聞WEB版)。LEXUSのホームページ(2022/4/10現在)を見ると、比較的グレードの低い車種の価格は、CT200hが386.9万円~488.1万円、UX200が397.3万円~482.8万円、UX250hが432.9万円~544.9万円、IS300が480万円~と、EVであるテスラの価格はガソリン車(含むハイブリッド)よりかなり高い。

 第4次産業革命の流れの一つとして、「第三は、AIやロボットの活用である。具体的には、AIを使った自動運転の試行実験、AIを活用した資産運用、介護などでのロボットによる補助の活用等の事例がある。」(日本経済2016?017 第1節 第4次産業革命のインパクト - 内閣府 (cao.go.jp))とされている。そして、『電気自動車(EV)は自動運転に向いている。タクシーのように行きたい場所に自動運転でいってくれるとなると、「全部EVで良い」となる。EVはコスト面でいえば、初期投資は高くても維持費は安い。』(「エネルギー・環境の未来を語るラウンドテーブル」報告 2016年9月 公益社団法人日本経済研究センター p23)とされ、EVの普及は第4次産業革命に関係する。

 しかし、ウクライナ問題などでいくらガソリン価格が高騰しているからといって、ガソリン車とこれだけの価格差があるEVに乗り換えられる所得の人がどれだけいるだろうか?ガソリンが高ければEVを買えばいいわ、などと言う政権は大衆から引きずり降ろされるだろう。
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