投資家の目線

投資家の目線69(涼宮ハルヒの衝撃?)

 ここ最近、You Tubeに対する風当たりが厳しくなってきたように感じられる。9月30日の日本経済新聞のタイトル『テレビ局など19団体、ユーチューブに要請検討、投稿動画「掲載前に審査を」』で、国内著作権関連19団体が米国ユーチューブに対し、投稿動画に事前審査を加えるよう要請する方向で検討を始めたと報道されている。また、10月3日の記事では、世界知的所有権機関(WIPO)がテレビやラジオの放送番組をインターネット上で無断配信することを規制する新条約の採択について報道された。
 日本からYou Tubeへは、日本のアニメーション作品へのアクセスがけっこう多かったようだ。日本では、テレビ放映時の多くのアニメーション作品のスポンサーはコミックやノベル、番組関連のCDやDVDの発売元である場合が多い。したがって、テレビ放映自体が商品のプロモーションになっているといってよいだろう。「みたいもん」というブログでは、キー局放映でなかった深夜アニメーション作品「涼宮ハルヒの憂鬱」が成功した要因のひとつとしてYou Tubeの存在を指摘している。最近、深夜枠のアニメーション番組は乱立気味で、コスト割れした作品も多いとの記事を見たことがある。この作品は放映にキー局を使わずYou Tubeという無料の広告媒体を使用したため、低コストで最大限の効果を発揮したと考えられる。投稿動画の事前審査はこのような低コストのプロモーションの機会を失うことにもなりかねない。やはり著作権者の事後的チェックにより削除するか否かを判断させた方が良いのではないだろうか?また、テレビ局にとって都合の悪い映像が最初から隠蔽される可能性があるのも良くない。
 どこのキー局でも深夜アニメーション枠はあるが、最も力を入れていたのはテレビ東京で、そこそこ収益を稼いでいたはずだ。「涼宮ハルヒの憂鬱」のようなYou Tubeによるプロモーションが拡大すれば、ある程度は打撃を受けるのではないか?そう簡単にほかの収益源を見つけられるとは思えない。同社は大株主から経営する企業が番組のスャ塔Tーとなりながら、部長以上の挨拶がなかったと批判を受けて幹部社員が処分される事件があった(最も、大株主のブログによれば広告の契約書を作らないテレビ業界の悪しき商慣行の問題としている)が、収益上では前者のほうがより大きな問題だろう。GoogleがYou Tubeを買収するという報道もある。そうなれば投稿動画サイトは、コンテンツ産業に対してもっと大きな発言権を持てるのではないだろうか?

-------------------------------------------------------------------------
 NHKが受信料不払い世帯等に対して、民事手続きによる支払い督促に踏み切ると報道されている。受信料負担の不公平感からということだが、NHKのテレビ放送サービスを受ける気のないものにとって、テレビ受像機があるために受信料を負担させられるのはサービスの押し売りと感じるだろう。テレビ番組の多くは退屈しのぎに見るものだ。やはりNHKの娯楽番組の受信料はペイパービュー方式にしたほうが公平だと思う。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「メディア」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事