投資家の目線

投資家の目線368(消費税率引上げ法案ほか)

 米倉経団連会長が、『民主党内で関連法案に反対する議員がいることには「ここまできて造反とは、政党政治をどう考えているのか。理解に苦しむ」と語った』という(2012/6/26日本経済新聞朝刊)。米倉会長はCSISと日米財界の作ったレメ[ト「Partnership for Recovery and a Strong Future」に序文を載せている。マイケル・ジョナサン・グリーン氏などCSIS関係者や財界関係者が「造反組」を非難しても、それは自分たちの作ったレポートに反対する者への不満以外の何物でもない。


 消費税増税法案とともに可決した社会保障の一体改革法案には将来像がない。増税分はあたかも社会保障費に使われるように言われているが、実際のところ「シロアリ」の自由裁量で使用されることになるのではないか?平智之衆議院議員は、インタビューでダブリをなくすことで「もんじゅ」関連予算を前年度の400億円から100億円(25%)削減できたと答えていた。これをやらずに増税を行うことは、「シロアリ」の焼け太りを許すだけだろう。また、消費税率引き上げは消費に影響しないというが、1998年の経済白書に消費税率引き上げのマイナス効果(可処分所得の減少)が分析されている


 首相官邸前の原発再稼動抗議集会はさらに人が増えている。先週金曜日20時ごろには首相官邸前から国会議事堂の横を抜ける道路の6車線がすべて人で埋め尽くされた。日本の民主制の危機なのだろう(まあ、もともと民主制があったのかどうか知らないが・・・)。最強の捜査機関とうたわれながら、証拠の捏造や虚偽報告書の作成を行った検察の特捜部(しかも、東京と大阪ではその処分が大きく異なる)、審査員の平均年齢をまともに計算できない、事務局が裁判所からの出向者で占められる検察審査会、現行の原災法では福島の原発災害にまともに対応できなかったことを知りながら首相個人の責任に矮小化しようとする国会事故調、自社に都合が悪い租税特別措置の見直しが取り上げられると法人税の減税要求を引っ込める経団連会長、消費税増税を支持しながら、新聞はその対象からはずそうとする新聞社・・・、エマニュエル・トッドは、健全な民主制はエリートなしで済ますことができないとするが、今のような「日本のエリート層」を信頼するほど民衆は愚かではないだろう。また、抗議集会の直後に俳優の山本太郎氏の姉が大麻所持で逮捕されていたことが報道された。このタイミングでの公表とは脱原発運動へのネガティブ・キャンペーンの一環としか思えない。


 スズキは、株主総会で浜岡原発に近い相良工場のエンジン生産を分散させる計画を説明したが(2012/6/29日本経済新聞 地方経済面 静岡)、地元の下請企業としては負担が大変ではないのか?近くに原発があることが地域経済にとって本当に良いことなのだろうか?

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・孫崎享著「戦後史の正体」(創元社)は7月28日発売予定(24日に前唐オされた)なのに、Amazonランキングで一時は20位ぐらいまで行っていた。発売前なのにすごい順位だ。

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