「世界経済の成長期にあって、保護貿易の立場に立ち、輸出産業を育成し、貿易差額によって国富を増大させようとした近世国家の管理経済」を重商主義という(三省堂大辞林第三版)。対米貿易黒字で国富を積み上げる東アジア諸国は、米国には重商主義政策とみなされているようだ。植民地時代の米国は印紙法など英国の重商主義政策に苦しめられ、それが米国独立戦争(独立革命)につながっている。米国にとって、重商主義は嫌悪の対象ではないだろうか。
箱根駅伝でも有名な小田原の鈴廣かまぼこの鈴木悌介副社長は、「仮に小田原の費用の1割を、省エネや地元でエネルギーをつくることに充てれば、毎年30億円が市内に蓄積できる。そのお金を雇用対策や医療福祉に使えば、地域の活性化につながります。地元で事業している中小企業も元気になります」(再生エネの伝道師(1)鈴廣かまぼこ副社長鈴木悌介氏―地産地消で地域再生(仕事人秘録)2018/4/11 日経産業新聞)と言っている。以下の資料では小水力の発電コストは19.1円~22.0円/kWhとされ、そのうち運転維持費は12.8円~14.1円/kWhとされる(p.57)。運転維持費には人件費も含まれる。小水力発電の推進は地方に仕事を創出することになるのではないだろうか。地方に雇用が発生し、東京一極集中化のリスクが避けられるなら、小水力電力に税金を使って補助しても「リスクに備えた保険料」として正当化できるのではないだろうか。
コスト等検証委員会報告書 平成 23 年 12 月 19 日 エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_problem_committee/008/pdf/8-3.pdf
対米輸出で外貨を稼ぐのは難しくなってきたのだから、エネルギーを自給して地方に雇用を増やすことは望ましいと思う。
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