投資家の目線

投資家の目線416(ヘッジ戦略)

 「ヘッジ戦略」といっても、ここでは金融の話ではない。ファリード・ザカリア氏が提唱者で、それは「多くの投資会社は価値の上がる株を買う一方で、市場が下落した時に備える株購入を行う。同様にアジアの繁栄をもたらすとの想定で中国との関係緊密化を行う。しかし、中国が脅迫したり、不安定化した時に備え、インドや日本等との強固な同盟関係を維持しておく」(孫崎享著「不愉快な現実」講談社現代新書)という考え方だ。木村正人氏の2013年5月8日のブログ『「日米安保は中国に対するヘッジだ」知日派ナイ教授語る』によれば、クリントン政権下で政府の高官だったジョセフ・ナイ ハーバード大学教授も「ヘッジ戦略」を唱えているようだ。なお、今月27日には、大韓民国の済州島で韓米中の戦略対話が行われる(2013/6/6朝鮮日報「韓米中の戦略対話27日開催、日本は反発」)。


 では、共和党政権に変わればどうか?前述の木村氏の2013年6月6日のブログ『米中首脳会談 日本は敗者になるのか』によれば、ブッシュ前大統領のときの政府高官フランク・ラビン氏も「日米同盟は(中国が武力を使った拡張主義に走るのを防ぐ)ヘッジだ」と述べている。また、ブッシュ前大統領の弟は北京で不動産会社の共同経営者を務めており、共和党政権になったからといって、アメリカ合衆国の対中華人民共和国政策が変わるとは思えない。また、昨年5月にシカゴで開催されたNATO首脳会議場に向けてアフガン、イラン戦争からの帰還兵が従軍メダルを投げつけるという抗議集会が開かれたことも政策に影響を及ぼしているのだろう。


 それにしても、自由民主党はなぜ共和党政権のカウンターパートだった安倍晋三氏を総裁に選んだのだろう?昨年の大統領選でロムニー候補が勝つと思っていたのだろうか?それともブレア英首相のように共和党政権でも民主党政権でも追随できる人物と思っていたのだろうか。

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・野中弘務氏が「尖閣の棚上げ合意」があったといったことが話題になっている。大平政権のとき園田外務大臣が「日本の国益ということを考えた場合に、じっとして今の状態を続けていった方が国益なのか、あるいはここに問題をいろいろ起こした方が国益なのか、私は、じっとして、トウショウヘイ副主席が言われた、二十年、三十年、今のままでいいじゃないかというような状態で通すことが日本独自の利益からいってもありがたいことではないかと考えます。」と衆議院外務委員会で発言しているという(衆議院安全保障委員会議事録平成22年10月21日神風委員の発言)。外務大臣が、棚上げが日本にとって利益と国会答弁している事実は重い。外務省が尖閣の棚上げ合意はなかったといっているが本当だろうか?核密約もないといっていたが、実際にはあった。外務省の言い分だからどこまで信用できるのか?何せ外務省の言い分だから・・・。
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