ガソリン税や日銀総裁の問題で影が薄くなった感があるが(全国的な問題じゃないから仕方ないか)、4月23日に新銀行東京の臨時株主総会が開催され、400億円の増資が決定された。来月には金融庁が検査に入ると報道されている。
ダイヤモンド・オンラインの週刊・上杉隆の第22回『「共犯者」都議会は新銀行東京400億円公金投入を許すしかなかった』(2008/3/27)には、『当時、自民党と公明党のそれぞれのドンは、自らの選挙区にある、債務返済不可能な不良企業のいくつかを、副知事とともに「融資リスト」に押し込んだ。』、『こうした「口利き」が横行したため、新銀行東京は、その設立当初から経営難を噂されることになったのだ』とある。
http://diamond.jp/series/uesugi/10022/
「こうして銀行はつぶれた―米国S&Lの崩壊 マーティン メイヤー (著), 篠原 成子 (翻訳) 日本経済新聞社 (1991/08)」だったと思うが、米国S&Lの破綻の裏で、日本でも知られた米国会議員たちが、政治献金してくれた人たちの利益ために別の意味で動いていたことを思い出す。もはや昔の話になってしまったが、再読しても面白いだろう。
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・TCIのJパワー株買い増しに関して、英フィナンシャル・タイムズ紙では、
「マンデルソン欧州委員(通商担当)、日本政府が英投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCL)に対し、電源開発(Jパワー)<9513.T>株買い増し中止を勧告したことについて、日本は先進国で最も閉鎖された投資市場と発言。」(ロイター2008/4/22)と伝えられている。日本のマスコミはずいぶん甘い報道の仕方をするものだ(それとも記者の英語力の問題か?)。
TCIの主張の方向性は理にかなっていると思う。正味現在価値(NPV)法を使えば、リスクの高い事業には高めのリスクプレミアムをつけた割引率を使用することで投資の可否判断が変わる場合もある。昨年、プラント事業で大幅な業績の減額修正をした企業がいくつかあった。高めのリスクを織り込んで見積もりをしていれば、あそこまで大事にならなかったかもしれない。
なお、TCIはJパワーの買い増し中止勧告の受け入れを拒否した。これで外国の公益部門の株式を多数購入するときの国際的に通用する指針のひとつでもできればよいと思うが・・・無理ですかねえ。